ヒートマップツール「USERDIVE」の導入で新規会員登録率が149%改善|ドゥ・ハウス社
株式会社ドゥ・ハウス 代表取締役社長 高栖祐介 様 (写真中央) 株式会社ドゥ・ハウス 取締役 モラタメ担当 加藤和人 様(写真中央右) 株式会社ドゥ・ハウス モラタメシステム部 マネジャ 松本智宏 様(写真中央左) 株式会社UNCOVER TRUTH COO 小畑陽一(写真右) 株式会社UNCOVER TRUTH PM 高橋慎吾(写真左) 導入時期:2015年4月〜
目次
-まず、御社のビジネスモデルについてお聞かせください。
松本:ドゥ・ハウスはデジタルとネットワークを活用したマーケティングサービスを行っており「リサーチ」と「プロモーション」の二つの事業を展開しています。具体的には生活者をネットワークすることによる定性調査と、商品の魅力をクチコミで広げるクチコミプロモーションを実施しています。
-その中で、ヒートマップツール「USERDIVE」を導入している「モラタメ.net®」はどのようなサイトですか?
加藤:新商品や話題の商品を会員が無料で“モラ”える、または小額で“タメ”せるサイトです。会員にとってはもちろん内容が魅力的ですし、主にメーカーの商品開発者様にとっては、そういった商品に関心の高い生活者層と繋がることができるという利点をご提供しています。
-ヒートマップツール「USERDIVE」を導入したきっかけは。
松本:今回は新規会員登録を増やしたい、そして小額ながら購買行動が伴う“タメ”の売り上げを伸ばしたいというねらいでUSERDIVEを導入しました。出会いというかきっかけはいくつかあったのですが、まず石川さん(※UNCOVER TRUTH 代表取締役:石川敬三)と高栖が知り合いだったというのが一つ(笑)。
またドゥ・ハウスはマーケティングサービス事業を展開する中で他社様のWebサイト運営も手がけているのですが、そのコンサルティングにUSERDIVEを活用したいという展望もあり、まずは自社のモラタメに導入してみようと考えたのも理由の一つでした。とはいえその前に、モラタメのサイト運営自体がセンスに頼っている状態できちんとしたマーケティングをしてこなかったので、そこをどうにかしたいというのが一番大きかったです。
-現在のモラタメの会員構成は。
加藤:約70万人です。そのうち8割は女性で会社員と主婦層が多く、未婚・既婚でいうとやや既婚者が多いですね。会員数の割合からも分かるように新商品に対する感度は女性の方が高く、男性は新商品が出てもすぐには飛びつかない傾向があります。ただ面白い話があって、男性は女性からの紹介には弱いんです。奥さんや周りの女性からおすすめされると、それまで使っていた商品からコロッと新しい商品にシフトする。モラタメの会員は圧倒的に女性が多いですが、それが結果的に男性への拡散にもつながっています。
小畑:シフトのしやすさでいうと、生活に習慣化してとけ込んでいる調味料なんかは母親が使っていたものを娘もそのまま使うから切り替えコストが高く難しいけれども、ファッションや化粧品だとチャンスがある、とかありますよね。使い終わるまでに時間のかかる商材はサンプリングが難しいという話もメーカーの方から聞いたことがあります。昔そういった商材のサンプルを貰ったときに一瞬で使い終わってしまうような量で、ケチだなと思ったんですが、あれには理由があったんですね(笑)。
加藤:そういった形でメーカーの方からの話を聞く機会は多いものの、会員の声を聞く機会がほとんどないままここまで来てしまったんです。徐々に会員数も増えてきたときにちょうどヒートマップツール「USERDIVE」のことを知り、これからはユーザビリティを上げて行くことに力を入れようということで、導入しました。
-ヒートマップツール「USERDIVE」を導入したねらいの一つに「新規会員登録数を増やしたい」ということを挙げていましたが、日頃はどのような方法で会員を誘致しているのでしょうか。
加藤:あくまでも商品をクチコミで広めていこうということで商品を出すメーカー様側にもコンセプトの魅力を感じていただいているので、会員も地道にネットのクチコミで集めていますね。立ち上がり当時はブロガーにお金を支払って商品のクチコミを書いてもらうというスタイルが流行っていましたが、それではステマになってしまいますし、あくまでも自然発生的に知ってもらうということが重要だと考えています。
小畑:以前に別の仕事でブロガーを集めたことがあったのですが、ブロガーは自主的に書くのでコントロールができないんですよね。同じようにクチコミもコントロールできない難しさがある。だからこそポリシーとしてこだわりたいというのもあるんじゃないでしょうか。
加藤:その通りです。ただ、せっかく会員が集まっても魅力的な商品がないと満足していただけないので、そのバランスも大切にしています。
-ヒートマップツール「USERDIVE」を導入されてみた感想は。
松本:実は以前からGoogle Analyticsなどは入れていたのですが、PV数やUU数を確認する程度で、細かいところまでは見れていませんでした。USERDIVEで解析してみて離脱率を知ったときに衝撃を受けました。
小畑:先程おっしゃっていた通り、クチコミベースで意欲の高い人が集まっているはずなのに離脱してしまうというのはすごくもったいないですよね。
-具体的にはどのような理由で離脱していたのでしょうか。
松本:例えば新規会員登録の場合、元々は「新規会員登録規約」だけを表示するページから登録フォームへ、そして最後の確認画面へ進むという流れだったのですが、規約ページから登録フォームに進むところで1割強ユーザーが離脱していたんです。考えてみると、確かに規約だけを読ませるサイトは少ないですよね。USERDIVEのヒートマップ分析でそこに気づいて、まずは規約ページと登録フォームを一緒にしました。
それから、実際に導入(契約)する前の打ち合わせの段階でも、パッと改善できる点を提案していただいたことも印象深かったです。登録フォームにニックネームを入力する欄があり、元々は空欄の状態だったのですが、そこに推奨するニックネームをあらかじめ入力しておく方が良いのではないかということを指摘していただきました。導入(契約)前にこっそり反映させたんですが(笑)。
他にも、商品への関心が強いあまりどんな商品があるのか気になって(商品一覧が表示されているヘッダーやフッターをクリックしてしまい)結果として登録フォームから離脱してしまうパターンも多かったです。この一覧を無くしたことにより、入力完了率が150%向上しました。
小畑:1番最初に規約ページがあるのは、最近だと金融機関くらいですよね。ECサイトでは一体型が増えています。
-UNCOVER TRUTHのサポート体制はいかがでしたか。
松本:今回は、新規会員登録と“タメ”の商品購入率の向上というところにフォーカスしました。スマホ、PC、ガラケーでサービスを展開している中で、スマホからやっていきましょうというところからスタートしたのですが、スマホでの改善点をPCにも応用したらどうか…などの提案をいただきながら進めています。
-ヒートマップツール「USERDIVE」を導入して、実際の効果はいかがでしたか。
松本:新規会員登録はかなり増えて、登録率としては149%、購入で114%強に改善が見られました。
小畑:新規会員登録者の購買率は当然高いと思いますが、リピーターを増やすことによってその先に見えてくるものがあるのかなという印象をもっています。全体のシナリオ設計をするというか、改善した後、効果が落ちずに継続して推移するのかということが重要なんです。
松本:8月(直近)のデータを確認すると、全く落ちずに継続して効果は続いていますね。
小畑:この先に欲しいのは、アクティブ率の高い新規ユーザーが残り続けて、結果的に購入の母数を高いままキープしていける状態です。ECは(そのサイトで)買いものをした時の最初の印象が良いとリピートする確率が高いので、商品力も大切ですが、サイトの使い勝手もとても重要だと考えています。
継続的な効果をキープすることで、ヒートマップツール「USERDIVE」のユーザー企業様にとっても、一回分の値段で3年美味しい…のような世界観をご提供できると思っています。広告周りの改善だと一時的な効果がありますが、僕らの場合はもっと長い目で見た時の満足感を享受いただけるんじゃないかと。
-改善施策を提案するにあたり難しかったことはありますか?
高橋:決済フローの画面で、初めて決済をする人と2回目以降の人に、どう画面を出し分けるかが難しかったです。例えば、以前に使ったことのあるクレジットカードの情報を呼び出すボタンがあるのにまた一から入力をしてしまうことによってエラーが出たり、カードの有効期限の表記が紛らわしく、そこがエラーの原因になってしまったり。
主なユーザーが女性かつ主婦層ということで、ITリテラシーとも関係があるのではないか…といった予測を立てるなど今までの事例には当てはまらないパターンがあって、そこが面白さでもありました。
松本:その部分に関しては現在も課題を抱えています。購入フローでカード情報の入力ページに行ったユーザーが実は4割くらい離脱してしまっていて、そこをどうにかしたいんです。おそらく、そもそもカードを持っていなかったり、モラタメという初めて訪れるサイトでカード情報を入力したくないという人もいるのだろうと考えています。なので、カード払いだけでなくコンビニでの支払いに対応するのが良いのではないかという提案もいただいたりしました。
-Webサイトの枠内を超えた改善施策の提案もするんですね。
小畑:それこそ我々のセンスが問われるところですね(笑)
ヒートマップツール「USERDIVE」は課題を可視化できるというのが最大の特長ですが、逆に言うとあくまでも“目の前に見えていること”からしか分析できません。そうじゃない部分に関しては、世の中の知見だったりとか、各アナリストの知見というところから分析して提案することも当然あります。そこはプライスレスです(笑)
-これから先ヒートマップツール「USERDIVE」を使ってやってみたいことはありますか。
松本:新規会員登録の際にどこまで詳細な情報を入力してもらうかという部分の導線を分析したいですね。メールアドレスや性別など最小限の情報に加えて、住所やよく利用するスーパー、趣味なども入力してもらいたいのですが、そういった情報の入力はハードルが高いので、センスに頼るのではなくデータを活用することで見えてくるものがあるのかなと思っています。
-「モラタメ」の今後の展望をお聞かせください。
松本:実は現在「台湾版モラタメ」を展開しています。2012年に開発し、日本版と同じものをそのまま移植しているのですが、機能的にもUI的にもかなり古いのでそっちの改善に手をつけた方が良いのかなとも考えています。国や文化が違うと引っかかるポイントが違うので難しいんです。
加藤:例えば台湾は日本に比べて新商品が圧倒的に少ないので、店頭に並べる商品を日本のように頻繁に入れ替える必要がない。店頭に行くと9割方が見慣れた商品で、1割ちょろっと変わる感じです。
小畑:UXも国民性で色々と違ってきますし、それはUIに表れますよね。
松本:台湾でもスマホは日本と同じように普及しているのに、不思議なことに「台湾版モラタメ」はスマホからのユーザーがほとんどいません。台湾人がスマホを使いづらいと感じているかどうか不明なのですが、そのあたりもUSERDIVEで分析してみたいですね。
-これからヒートマップツール「USERDIVE」を導入したいと考えている企業にメッセージをお願いします。
松本:「一緒にサイトを盛り上げてくれる」 USERDIVE、ものは試しに使ってみる価値はあると思います。
インタビュー実施時期:2015年9月 場所:株式会社ドゥ・ハウス本社 取材記事:株式会社ネットワークコミュニケーションズ
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