LTVを高めるための道〜目標を掲げ、歩むべき道を見定める〜 | 【連載アナリストブログ 第1章第2話】
UNCOVER TRUTHでアナリスト歴2年目の清水がデータ活用事例を紹介する連載ブログ
初回はLTV向上のために実際に行った取り組みを4回にわたって紹介します。
本ブログを開いていただきありがとうございます!
UNCOVER TRUTHの清水です。
第2話は目標設定と定点観測についてご紹介します。
<ラインナップ>
第1話 LTVの定義決め
第2話 目標設定と定点観測
第3話 深堀分析
第4話 施策の検討と実施
■KPIの設定
前回はLTVの定義について「LTVをどのように算出するか?」の具体例をご紹介しました。
今回は目標の設定についてご紹介していきます。
この取り組みでは、「LTVをどの程度に引き上げるか?」の目標設定に「LTV 10,000円以上の顧客を増やす」というKPIを掲げました。
10,000円という区切りを設けたのは、LTV 10,000円以上の顧客と10,000円未満の顧客とで、購入回数に明確な差がデータ分析から見られたからです。
つぎに「LTV 10,000円以上の顧客を増やす」という目標到達のための中間ゴール(中間KPI)を設定しました。
中間KPIを設定することで、あとどのくらいで目標達成できるか把握することができます。
また目標達成のために躓いているポイントも確認することができるため、改善がしやすくなります。
この取り組みでは、LTV10,000円以上かそうでないかで購入回数に明確な差が出るという結果から、購入回数に着目しました。
回数とLTVの関係性について調べたところ、LTV10,000円到達と、F2転換(2回目の購入)、F3転換(3回目の購入)までの日数に関係性が見られました。
上表は初回の購入から何日以内に2回目(F2)、3回目(F3)の購入をしたか?を集計しています。
シェアは「LTV10,000円以上の顧客の中で該当日数以内に転換した割合(30日以内F2転換人数シェア = 30日以内F2転換人数 / LTV10,000以上総顧客数)」のことです。
また到達率は「該当日数以内に転換した顧客の中でLTV10,000円以上に到達した割合(30日以内F2転換人数到達率 = 30日以内F2転換かつLTV10,000以上人数 / 30日以内F2転換人数)」のことです。
F2転換をみると、LTV10,000円以上の顧客の60%は30日以内にF2転換していること
30日以内にF2転換すれば、30%はLTV10,000円以上に到達するということが分かります。
同様にF3転換を見ると、LTV10,000円以上の顧客の65%は90日以内にF3転換していること
90日以内にF3転換すれば、40%はLTV10,000円以上に到達するということが分かります。
またF2転換、F3転換ともにまたシェアと到達率の伸びは日数が経てば経つほど鈍化するということも分かりました。
このようなデータから、30日以内F2転換と90日以内F3転換を中間KPIと定めました。
KPI同様、中間KPIもデータを分析して設定することによって、納得感のある目標を設定することができます。
本来であれば、KPIに具体的な数値を設定することが望ましいです。
今回は売上や顧客数などの業績に直結するものは設定したものの、その他の数値については最初具体的な目標値を設定しませんでした。
その理由は次のセクションでご紹介します。
■定点観測
KPI、中間KPIの設定ができたら、それにあわせた定点観測を行います。
今回の取り組みでは月に一回、KPI、中間KPIはもちろんのことKPIに寄与する指標を観測・レビューを行っていきました。
月の実績に加え、目標比や前月比、前年同月比などを算出し可視化することにより、目標に達成しているか?やどのような変遷をたどっているか?を把握することができます。
主観ではありますが、状態を〇、×、△で判定することで、改善すべきポイントの優先順位をつけることができます。
(目標比120%だと〇、90%以下だと×などというようにルールを定めてもいいと思います)
上表をご覧いただいくと目標値が空白になっています。
これは定点観測し始めということもあり、あえて目標を設定していないためです。
取り扱っている商品がシーズナリティのあるもののため、月によって目標値を変動させる必要があることや、今回の取り組みで初めてウォッチした指標があるため、まずは傾向を把握し、その後適切な目標値を設定することが狙いです。
第2話はここまで!
次回は深堀分析について紹介していきます。