Web担「デジタルマーケターズサミット2017」に登壇しました|イベントレポート
Web担当者Forum主催の「デジタルマーケターズサミット2017 Summer」にCOOの小畑が登壇しました。このイベントは、本質的なデジタル戦略についての理解を深めるためのセミナーイベントです。オープニング基調講演に弊社CCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)も務めるアクティブ合同会社CEOの藤原尚也氏が登壇したほか、デジタルマーケティング業界のトップランナーである皆さまに並んで、UNCOVER TRUTHもセッションを持ちました。
今回のセッションは「3ヶ月で会員登録CVRが127%にアップ!スタッフサービスが実現したデータドリブンなサイト改善とは」というタイトルの通り、UNCOVER TRUTHがともにWebサイト改善を進めたスタッフサービス神谷亮介氏との対話形式で行いました。スタッフサービス社の神谷氏といえば、Web担当者Forumに掲載されたこの記事を覚えてくれている方もいるのではないでしょうか。
7月4日掲載「本当のユーザー行動」を知ることでCVRが127%にアップ! スタッフサービスはいったい何をしたのか?
http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/04/26030
この記事の中でもかなり詳しいところまでお話しいただいたスタッフサービス社のサイト改善事例について、神谷氏と小畑がプロジェクト進行時のことを振り返りながら、さらにリアルな話をお届けしました。
「これ以上伸びない」という状況からのスタートで、CVRが127%にアップ
冒頭で小畑は、UNCOVER TRUTHのお客様に共通する課題として「顧客獲得単価が高く、ROIを合わせるのがマーケティング課題になっている」ということを挙げました。
工場や介護、技術など事業領域ごとに人材派遣のサイトを運営するスタッフサービス社もその一社です。その中でも人材派遣業界は、季節によって大きくユーザーの動きが変動するため「マーケティング・カレンダー」に沿った施策が不可欠で、具体的には4月に向けて1-3月にしっかりと会員を獲得していくといった取り組みが重要になります。こうした繁忙期を含む年間のスケジュールの中でスタッフサービス社は、戦略的なアウトソーシングで“二軸”を持つことによって、立ち止まらずWebビジネスの成長を推進することに成功しています。
今回のセッションでは、特に改善効果が見られた事例として、同社の医療・介護系求人サイト「スタッフサービス メディカル」のケースを取り上げ、オリジナルの状態に対して導き出したテストパターンのデザインを公開するとともに、なぜそのようなテストパターンを導き出したのか、その根拠となるデータ分析の過程まで詳細にご紹介しました。
この事例では、まずバブルチャートによって「コンバージョンに貢献するコンテンツは何か」をあぶり出し、そのうえで「そのコンテンツをより確実に訴求するために、どのようなUI設計が必要か」をヒートマップツール「 USERDIVE」による分析で明らかにしていきました。こうした改善活動の結果、コンバージョン率(スマートフォンサイトでの会員登録率)は127.8%にアップ。
これについて神谷氏は「ABテストをやり尽くして勝ちパターンが出来上がっていると思っていた状態、(逆に言うと)それ以上伸びなくなっている状態からのスタートだった」と振り返り、データに基づいた根拠ある改善の重要性を強調しました。
“勝ち”と同じくらい“負け”が重要
次にご紹介したのは、工場系求人サイト「働くナビ」の事例です。実はこの事例、テストパターンでの“負け”を繰り返し、三度目の正直でようやくCVR改善を実現した時のもの。こちらもバブルチャートとヒートマップツールを併用した分析から、まず 「エリア系検索が重要」「ユーザーはページの上部しか見ていない」というデータに基づいてトップページの検索メニューを充実させるUI設計に変更しました。その結果CVRはダウン。小畑は「Web登録フォーム遷移率」と「登録完了率」のギャップに注目し「理解度が低いままWeb登録フォームに遷移させてしまったこと、つまりユーザーの態度変容に沿ったUI設計をできていなかったことが“負け”の原因だった」と指摘しました。
UNCOVER TRUTHが取り組むWebサイト改善活動では、全てのアイデアがデータに基づいたものであることから、分析の各ポイントまで立ち戻ってなぜ負けたのかを検証し、再チャレンジすることが可能です。この時も二度目の失敗を経て「CVにつながるページへの遷移ボタンを訴求することも効果的だが、コンテンツをきちんと表示させ、ユーザーのサービスへの理解を深める方がより効果的」という分析にたどり着き、最終的に登録完了率121%の改善を実現することができました。
神谷氏は「しっかりとデータを見ながらやっていたので、負けてみることにも意味があった。デジタル系の施策展開では社内の説得も重要なファクターとなることが多いが、その際に、勝ちも負けもしっかりと伝えるようにしている」と、“勝ち”と同じくらい“負け”が重要であると話しました。
Webサイト改善の軸とは
スタッフサービス社の事例をはじめ、日々の改善活動から得られた学び=Webサイト改善の軸として、小畑は以下の三つを挙げています。
- ユーザー行動をデータで可視化し、CVに貢献するコンテンツを発見
- ユーザーにとって不要なコンテンツの移動や削除
- ユーザーに適切なコンテンツを再配置
セッションの締めくくりに神谷氏は「我々のような差別化が難しい業界では、いかにサービスをきちんと知ってもらうかが重要。今回ユーザー行動を可視化したことによって、きちんと伝えたいことを伝えたうえでサービスを使っていただくことの重要性に改めて気づいた。今後もそれを実現する施策をしっかりと続けていきたい」と意気込みを語りました。
UNCOVER TRUTHは今後もイベントへの登壇等を通して、プロフェッショナルの知見やノウハウを積極的に発信し、皆さまのWebサイト改善活動と、データドリブンなマーケティング活動を支援してまいります。
■関連サービス
ヒートマップツール「USERDIVE」
Webサイト改善「改善PDCAアウトソーシング」