CDP、統合データを活用した顧客の転換・育成施策の考え方
この記事では、CDP等で統合されたデータを活用し、顧客に合わせたコミュニケーションをとることで次のフェーズへ顧客を転換・育成していく際の施策の考え方について書いています。
顧客育成とは
この記事でお伝えする顧客育成とは、CDP構築等で統合されたデータから、分類した顧客クラスター(顧客群)を次のフェーズに転換・育成していくことを指しています。
上図を例とすると、顧客は下記の6つに分類されます。
- 顧客の分類
①非顧客(Web訪問者)
②登録顧客
③新規顧客
④リピート顧客
⑤ロイヤル顧客
⑥休眠顧客
さらに顧客育成の方針を顧客フェーズ別(分類別)に考えると、下記のように考えられます。
- 顧客フェーズ別育成方針
①→②=会員化(非顧客を登録会員化したい)
②→③=新規獲得(登録顧客を新規顧客にしたい)
③→④=リピート転換(F2転換、リピート購入してもらいたい)
④→⑤=ロイヤル化
⑤:ロイヤル維持・LTV最大化
⑥:休眠復活
これらの方針に沿ってどのように、顧客とのコミュニケーション、施策を考えていくのかを次からご説明します。
CDPなどの統合データを活用した施策の考え方
CDP等で統合されたデータを使う施策は今までの施策(CDPを使わない施策)と同じように考えてはいけません。
今までの施策(CDPを使わない施策)は「全体配信」が主であり、CDPを使った施策は顧客ごとの「セグメント配信」が主になるため、より顧客像を把握して施策を行う必要があります。5W1Hを用いて、Webサイトでの施策を例に、全体配信とセグメント配信の差を比べてみます。
なぜ=目的(WHY)を「リピート購入=顧客にリピート顧客へ転換してほしい」とした施策を行う場合
今まで購入という単位で施策を実行していても、何回購入しているのか?までを細分化して実行されている方は少ないかもしれません。(もちろん施策ツール単体で把握できる場合もありますので、それを活用していることもあると思います)
CDP等で統合されているデータを活用する場合では、オンラインでの購入だけでなく、実店舗(オフライン)での購入も含めて顧客ごとの購入回数を集計できるため、初回購入向けかリピート購入向けかなど、より精緻に目的を細分化して施策を実行できます。下記がその例です。
- だれに(WHO)を詳細に設定できるようになる
まだ購入経験がない顧客や初回購入しただけの顧客等、より詳細にターゲットを設定できるようになります。 - いつ(WHEN)がよりリアルタイムなタイミングになる
リアルタイム性のあるステータスや行動をもとに施策実行のタイミングを設定できます。 - 何を(WHAT)は実際の顧客の行動や目的に紐づきやすくなる
前回購入商品にもとづくおすすめ商品など、顧客の購入・行動履歴をもとにレコメンドできます。
※いつ(WHEN)と何を(WHAT)の部分は、データを統合するためにCDP活用する場合、ツールによって対応可否がさまざまであるため、データを統合する際に考慮しておきましょう。
このように5W1Hで考えると、今までの施策より考えるべきことが多いことに気づくのではないでしょうか?施策を行うときは基本的に5W1Hで考えることが多いですが、いずれにせよ「顧客起点に施策を考える」ことこそがCDP等の統合データを使った施策にとって、とても重要なポイントになります。
この記事を書いた人
- 小畑 陽一
- 株式会社UNCOVER TRUTH
取締役COO(Chief Operating Officer)
music.jpやルナルナを手がけるエムティーアイ社出身。ソリューション事業責任者として、大手企業向けモバイルサイト構築ソリューションで、国内ナンバーワンのASPサービスを展開。2014年、取締役として株式会社UNCOVER TRUTHの取締役COOとして経営に参加。経営・事業戦略とマーケティングを管掌。 ad:tech Tokyo / Kyushu、宣伝会議、MarkeZine、Web担当者フォーラムなど講演活動多数。
著書:『ユーザー起点マーケティング実践ガイド』(CDP専門書籍)
データ分析や基盤構築、プロダクトの活用などについて、貴社の状況と目的に合わせて幅広くご提案します。
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