LPO(ランディングページ最適化)は 「ページに関するデータ量」×「ページ内の行動データ」が鍵!
※読了時間(7~10分)
こんなお困りをお持ちのご担当者様へ
・LPOと聞いてもいまいちピンと来ていない
・LPOに取り組んでいるが、うまくいっていない(LPOに取り組んだが、うまくいかなかった)
この記事を読むと知れること
・LPOの全体像
・LPOを成功に導くために見るべきポイント
こんにちは。UNCOVER TRUTHの石川です。前回は、弊社クリエイティブマネージャーの牧野から(過去記事:意外と知らない?!ABテストの成功率を上げる鉄板5ステップ)についてお話させていただきました。
今回お話させていただく、ランディングページもその利用意図やページの特性から
ABテストを実行する対象になることも多くありますので、前回の記事の内容も織り交ぜながら、LPOについて少しお話させていただきます。
目次
1. まずは、LPOについて
LPOの意味を簡単に説明します。
LP(Landing page)
ランディングページを指します。
ランディングページと言っても2つの意味がありますので、まずはそちらを説明します。
①:広い意味でのランディングページ
ホームページ内などで色々なページがある中で、ユーザーが最初に訪れたページのこと
②:狭い意味でのランディングページ(←今回はこちらのお話です)
訪問者を特定のアクションへ誘導することに特化した主に縦長のレイアウトのページのこと
O(Optimization)
シンプルに言うと、最適化を意味します。
つまり・・・
LPO(ランディングページ最適化)とは・・・
ユーザーをこちら側が意図するアクションへ誘導することに特化した主に縦長レイアウトのページで、そのアクションをもっとしてもらえるように最適化しましょう!
ということです。
もう少し補足すると・・・
訪問者を特定のアクションへ誘導=コンバージョン(CV)
コンバージョン(CV)はページの目的によって様々存在しますが、
「資料請求」「購入」「お問い合わせ」「会員登録」etc…の獲得効率を上げるためにページを最適化していきましょう!ということになります。
※最終的にはコンバージョン獲得効率の増加を目指しますが、
場合によっては、その中間KPIの直帰率の改善やCTAのCTRの改善などの場合もあります。
主な流れとしては、アクセス解析ツールやヒートマップツールを使いながら分析を行い、
そこから気づきを発見。施策を検討し、ABテストツール等で施策を実施して評価し、価値あるものに関しては、実際のページに反映させていったり、成果が良くなかったもの関しては仮説とのズレや他の発見を踏まえたフォロー案を実施する等のPDCAサイクルを回していくことになります。
2. LPOを行う必要性
ランディングページに限らず、
ページを作る際は、
事前に分析をし、課題や目的を定義し、それに向けた対策を盛り込んで作成していきます。
しかしながら、苦労して作り上げたページが
必ずしも予定していた通りの結果をもたらしてくれるとは限りません。
世の中には似ているサービスが複数存在していおり、ユーザーが自分たちのページにたどり着く流入経路も広告、検索、SNS、メール、外部サイト等、多数の選択肢を持っています。流入してくるタイミングもモバイルの普及で時間帯の制約も受けづらく、その時のユーザーのテンションも異なりますし、競合との違いを口コミやレビュー、互いのサイトの内容等で簡単に調査・比較ができてしまいます。
後述でも触れますが、
ランディングページは、絞ったペルソナに対して、訴求を明確にし、ペルソナに対してベネフィットを提示し、その根拠を示して、さらに信頼しても大丈夫ですよと理由を述べ・・・とページ内で順序立てて説明しながら、ユーザーに対して営業活動を行うような作りが多いので、直接的な結果をもたらしやすい作りのページになります。
静的に作られるページが割と多いので、ABテストなどの改善施策を実装しやすいのもランディングページの特徴です。ランディングページは自由度が高く、効果の振れ幅が大きいため、大きなアップリフトを実現できる可能性があります。手をつけやすく、より高い効果を見込めるというのもLPOを実施すべき理由の一つになります。
3. LPOを行うメリット
前述の通り、
ランディングページはこちらの意図する特定のアクション(主にコンバージョン)を行ってもらうために作るページのため、直接的な結果を得やすいページになります。
ランディングページの最適化をする。ランディングページを改善し、コンバージョンの獲得効率が上がっていくと、下記のような数値の改善に直結しやすくなります。反対に言うとランディングページを使用していて、下記の部分に課題を感じているようでしたら、すぐにでもLPOを実施する必要性があるということになります。
◆LPO(ランディングページ最適化)の主な影響範囲
・CVR/ROAS/注文あたり単価 etc.
・集客効率のアップ/離脱の防止
・注文あたり点数のアップ etc. ⇒ 【受注効率の向上】
4. LPOの流れ
様々なケースが考えられますが、
そもそも広告等の流入元のIMPやCTRが悪いというのであれば、それは必ずしもページに問題があるとはいい難く、そもそもの流入側の調整が必要かもしれませんし、KGIやKPIを達成するのに必要な流入がある場合にCVR振るわないのであれば、その流入の質やページ側に課題があるのかもしれません。はたまた、流入時に見た内容と実際に訪れた際のページ側のテンションの違いやペルソナに充てるべき訴求の違い等があるのかもしれません。etc….
いずれにせよ、
まずは分析して改善ポイントを見つけ出す必要があり、そのためには
ページに関するデータの量の把握とページ内での行動の把握が欠かません。
◆解析ツール:ページに関するデータ量の把握
・流入元
・ユーザー数、セッション数、PV数
・滞在時間
・次ページへの遷移
・直帰率 etc…
※まだ取得できていないが、目的によって取得した方がいいデータがあれば随時設定を進めていきましょう。
解析ツールや広告ツール側で上記のようなデータは計測されていて確認しやすいのですが
「実際、そのページ内のどこが悪いのか?」
は解析ツール側で突き詰めずらかったりします。
そのときに活躍するのがヒートマップツールです。
ヒートマップツールではページ内のユーザー行動や、コンテンツの注目度合いがサーモグラフィのように直感的に分かるため、多くの気づきを得ることが可能です。
◆ヒートマップ:ページ内での行動の把握
・ページのどのぐらいまで見られたのか?(スクロールマップ)
⇒ユーザーの精読率や離脱ポイントを見つける
・ページのどこに注目していたのか?(ルックヒートマップ)
⇒ユーザーがどんな訴求や画像に興味をもったのかを見つける
・ページのどこにアクションをしたのか?(クリックヒートマップ)
⇒ユーザーがリンク有り無しに関わらず、どこを押したのかを見つける
上記のような部分はヒートマップを用いて分析しますが、
さらに重要なのは、下記のようにヒートマップのデータを「ユーザーの属性」や「アクション結果」によってページ内での行動が異なるのか?を見ていくことです。
こちらの意図したアクションをしてくれたユーザーとそうでないユーザーの差分を見つけやすくするのがヒートマップの得意とすることろです。
※弊社提供ヒートマップツール:USERDIVEのフィルタ機能を用いた場合
◆ユーザーのページ内行動の差異を見るポイント例
・コンバージョンしたユーザーとコンバージョンしなかったユーザーでは違うのか?
・流入元毎のユーザーで違うのか?
・訪問回数で違うのか? etc
ヒートマップはただ漠然と見ていても仕方ありません。上記のようなヒートマップを活用した分析についての具体的な方法については、過去記事をご覧ください。
過去記事:「ふーん」で終わらないヒートマップ分析(前編) ユーザー行動を可視化!ヒートマップを使うべき2つのメリット
過去記事:「ふーん」で終わらないヒートマップ分析(後編) 事例で紹介!成果を出すためのヒートマップ分析2つのコツ
そこで見つけた課題を解決するための施策は主にABテストで実行します。
ABテストに関しては、5年間で1,500本以上のABテスト案を作ってきた弊社クリエイティブチームのゼネラルマネージャーの牧野がTipsをまとめていますので、こちらの記事をご覧ください。
過去記事:意外と知らない?!ABテストの成功率を上げる鉄板5ステップ
と、そもそもABテストのツール選定や設定周りでお悩みの方はこちらに詳しく記載しておりますので、合わせてご覧ください。
過去記事:【2019年版】Google Optimize(グーグル・オプティマイズ)を徹底解説|無料で始めるABテスト
いかがでしたでしょうか?
LPOに限らず、最適化・改善活動は、
たどり着きたいゴールに向けてそれを評価するために必要なデータを取得⇒分析⇒仮説を立て⇒施策を実行⇒結果を評価⇒その経験を次に繋げていくと、やるべきことの流れに大きな変わりはありません。
LPO(Landing Page Optimization=ランディングページ最適化)の第一歩も分析から課題を抽出することですが、そのためには「ページ関するデータ量の把握」&「ページ内での行動の把握」が重要となります。今後も分析やWebマーケティングに関する記事や、大小セミナーも定期的に開催していきますので、引き続きご愛読いただけますと幸いです。
今回も最後までご覧いただきありがとうございます!
- 石川 敬三
- 株式会社UNCOVER TRUTH
- 代表取締役CEO
VOYAGE GROUP取締役、株式会社PeX 代表取締役などを歴任。その他アドネットワーク、比較サイト、辞書サイト等様々なBtoC・BtoB事業の立ち上げに従事。株式会社サイバーエージェントでは、広告営業を始め、大阪支社立ち上げ、メールマガジンサイトmelma等のBtoCサービスの事業責任者やEC事業の立ち上げ等に従事。