ヒートマップツール「USERDIVE」でユーザー行動に即した検証が可能に|ニフティ社
ニフティ株式会社 WEBサービス事業部 事業部長 後藤信彦様 (写真中央)
ニフティ株式会社 WEBサービス開発部 澤田栄一様(写真右)
株式会社UNCOVER TRUTH COO 小畑陽一(写真左)
導入時期:2014年8月〜 (テスト導入2014年3月〜)
目次
まずはWEBサービス事業部でのミッションについて教えて下さい
後藤:弊社の事業は会社自体で言うとパソコン通信から始まって、その後ISPというインターネット接続事業がメインになりました。その際にポータルサービスを軸としたWEBサービス事業も始めたのがスタートです。
今は、弊社のWEBサービス事業は変化のタイミングで、ネットワークの接続が固定からモバイル回線に変わり、デバイスもPCからスマートフォンに変わり、ポータルサービス自体には大きな成長は望めないという中で、別の事業モデルへ転換し、新たな柱を作っていこうとしています。社内では「マーケットプレイス型モデル」と呼んでいますが、不動産や求人、「シュフモ」など、事業者の方と利用者の方をマッチングして、商品やサービスの選択をしていく際の支援をするモデルにここ1年半ほどで転換をしてきています。
また、特に働いている世代は、時間や経済的な悩みを多く抱えていると思っています。そのような中で我々は何ができるか。社内的には「現役世代の課題解決」という言い方をしていますが、日常生活の中で現役世代が直面する課題を解決する、あるいは課題解決の支援をすることなどをミッションとしています。
小畑:「現役世代」とは具体的にどのような属性の方ですか?
後藤:広い意味では働いている世代=20代~60代となりますが、その中でも親や子どもを支えている30代~50代の方を中心に考えています。時間的・経済的な余裕がないために出てくる課題を、インターネット、スマートデバイスを使ってどう解決できるか。また、今は不便でないものも、もっと便利に楽しくできないか。実際には年代というよりも内容を重視していますね。
弊社が長年提供している接続サービスやポータルサービスのお客様は40代以上の男性が多いのですが、マーケットプレイス型サービスのお客様は20代後半から40代ぐらいまでの方で、男女比でいうと半々くらいですかね。「シュフモ」はもともと女性がターゲットではありますが、最近は不動産や保険、主婦の方のお買い物に関わることなど、生活の課題を解決するためのサービスにシフトしてきたことで少しお客様の層も変わってきています。
WEBサービス事業部で手掛けるのが「マーケットプレイス」ということですか?
後藤:マーケットプレイス型サービスに限りません。WEBサービス事業部は現在6部構成で、ポータルサービス部、マーケットプレイスサービス部、ニュースやアプリ担当のスマートデバイスサービス部、シュフモビジネス部、そして営業部と開発部があります。
「USERDIVE」の導入時期はいつ頃だったのでしょうか?
澤田:本格的に始めたのは半年前ですが、2014年3月頃からテスト導入をしていました。
後藤:元々は僕と石川社長が知り合いで、石川社長が紹介に来られた時に面白そうだなと思って開発担当に紹介したのがきっかけです。
澤田:今は、僕や他のメンバーが担当する色々なサイトで使わせて頂いています。
「USERDIVE」を実際に導入されてみてどのような変化がありましたか。
後藤:大きく2つの変化があったと思います。1つは施策を考える前と考えた後にユーザーを追うというプロセスが生まれたことです。これまでは、数値上で仮説を立ててから施策を考え、数値上で仮説検証をしていましたが、確度の低い検証でした。「USERDIVE」を導入した事で、よりユーザーの動きに即した検証ができるようになりました。
これまで勘と経験がない人は、検証にすごく時間が掛かっていましたが、現在では開発スピードやユーザーにサービスをデリバリーするスピードは上がっていると感じています。
もう1つは、数値的な変化です。この部分は定常的に測れるところまではまだ達していませんが、CVRの部分も「USERDIVE」でユーザーの反応を見ながら施策を考えられているので効果が出ています。
-UNCOVER TRUTHさんでは既にコンサルティングもされているのですか?
小畑:はい。今はべったりとコンサルというわけではなく、ニフティさんのご要望に応じて適宜レポーティングをさせてもらっています。
澤田:弊社は社内にクリエイティブ部門があり、もともとクオリティは比較的高いと自負しています。そのため、ヒートマップツール「USERDIVE」で劇的に効果を上げるというよりは、ユーザーが使いやすくなるような日常的なチューニングに役立てています。今後はクリエイティブ部門にも使ってもらいたいと思います
小畑:業務プロセスの中にどのように入れていくか、というところですよね。改修・改善案件があったときに、クリエイティブ部門でアウトプットを出すプロセスの前にUIの検証があるからこそ、事実に基づいて提案ができますからね。
澤田:大きめなエンハンス(機能追加や性能強化)の時は1度「USERDIVE」を使って解析して、「今こう動いているからこう設計しよう」というような取り組みが始まっています。その時には、やはりクリエイティブ部門の人に分析結果を伝えてからデザインしてもらうと、クオリティも効果もより高くなりますよね。
-クリエイティブの方からの評判はどうでしょうか?
澤田:これまでは漠としたオーダーをしていたのですが、“こういう目的があるのでこうしてほしい”と伝えられるようになり、イメージ共有はしやすくなっていると思います。どちらかというと、ピッチで細かく回していく時に、1週間とか2週間単位で見て、考えて検証するというのがメインかもしれません。
後藤:どういうお客様にどういう事をやってもらいたくて、どういう機能があって、今ここが使われていて、だからここを改善したいんです…みたいな話が伝えられると良いんだと思います。
小畑:その通りですよね。我々も短いスパンでグロースハック的な意味合いでご利用頂きたいと思っています。
-ヒートマップツール「USERDIVE」はWEBサービス事業部だけで使われているのでしょうか?
澤田:WEBサービス事業部では、8サイトほどで使っています。保険が最も使っているサイトで、不動産と求人でも活用しています。担当者がツール好きだったり、分析スキルを持った人だと導入しやすいですね。大きめのエンハンスが多いと分析できる時間が限られてくるので、細かいPDCAを回している部分での方が使いやすいです。現在、サイト改善にはABテストツールも活用しているのですが、そのようなツールを利用することで細かいPDCAを回すサイクルが生まれるので、その中に上手く取り込んでいくと掛け算的に効果が出ると思います。
後藤:他の事業部はこれからですが、ABテストツールとセットで紹介したいと思っています。
-ヒートマップツール「USERDIVE」はどのような企業にオススメしたいですか?
澤田:ユーザー分析を検討しているのであれば、どんな企業でも使ってみるべきだと思います。一番初めにお話しを聞いた時に惹かれたのは、Google アナリティクスのUIとすごく似ていたからなんです。僕の中でそこは意外とささっていて(笑)、操作感など、慣れたように使えるのはとても良いと思います。
導入するツールが新しいUIになってしまうと、全機能を使いこなせなかったりする事もありますが、その点は迷わず、Google アナリティクスと同じような操作感で利用できるので導入のハードルは低いと思います。
-今後WEBサービス事業部が目指す世界について教えて下さい
後藤:マーケットプレイス型サービスもそうですし、ニュースやアプリも含めて、きちんとお客様の課題を解決できる、ニーズにマッチするものをどんどんと出していきたいと思います。そしてそこをベースとして我々がきちんと使いこなせるようになっていくとすごく良いと思います。
ヒートマップツール「USERDIVE」を導入したのは、施策のスピードを上げたいとか、CVRを良くしたいというのはもちろんですが、働き方も変わると感じたからなんです。弊社は多くのサービスを提供しているので、ひとつのサービスの担当者はそれほど多くないんですね。ツールやコンサルティングなど外のお力を借りて、目的を共有しながら進めることで効率を上げ、社員には出来る限り本質的な価値提供が出来ているかどうか、根本的な部分を考える時間を増やしてもらいたいと思っています。
インタビュー実施時期:2015年2月
場所:ニフティ本社
取材記事:株式会社ネットワークコミュニケーションズ