BLOG

ブログ

自社に適したCDPの選び方|種類と特徴

この記事では、目的や環境に合わせたCDP選びの参考となるべく、一般的なCDPの種類やそれぞれの特徴を整理してまとめています。また、当記事の下部に、CDP導入にかかる費用と項目例をまとめたホワイトペーパーダウンロードへのリンクもご用意しておりますので、ぜひCDPご検討の際にお役立てください。

マーケティング活動における1to1、OMOで顧客体験を向上させるためにCDPの導入を検討されているケースをよくお見受けします。当社UNCOVER TRUTHにも日ごろから、下記のようなCDP関連のご相談やご質問を多くいただいております。

  • 様々なCDPがあるが、それぞれ何が違うのか?
  • 自社に合ったCDPをどうのように選べばよいのか?

当社では市場にある全てのCDP製品を取り扱っているわけではありませんが、多くのCDP導入プロジェクトをお手伝いする中で、それぞれのCDPの利用用途や特徴は掴めていますので、今回は包み隠さずお伝えできればと思います。

DXプロジェクトを推進する上で知っておきたい「自社に適したCDPの選び方」についてまとめてみました。

CDPの種類と特徴

まずはどのようなタイプのCDP製品があるのかざっくり理解しましょう。CDPと一言で言っても、用途や特徴が異なり、自社の目的に応じて選ぶべきタイプが変わってきます。場合によっては組み合わせて活用する場合もあります。自社が目指す顧客体験の創出や解決したい課題に合わせて、値段だけで決めないようにする必要があることはご承知おきください。

CDPの種類と特徴
【CDPの種類と特徴】

データ蓄積型(アナリティクス型)のCDP

最も一般的なCDP製品群です。DWHのデータ蓄積機能と施策ツール(MA/接客/BI)への連携機能が豊富に備わっています。

データ蓄積型は、長期間にわたる顧客の購買データなどから顧客分類(セグメント)をしてコミュニケーション施策を実行するのに向いています。また多様なデータソースを格納できるので、OMOなどの業態に向いています。オフラインの店舗や紙DMやリアルイベント、接客や営業活動情報なども統合できるので、顧客接点が多岐に渡るような場合にも、データ統合環境として役立ちます。

費用面では、データを格納するストレージのコストが高くつきがちです。セグメントを抽出する際のクエリ実行(集計処理)などにコストがかかる傾向があります。最近ではコストの安いクラウドを活用して、Googleの提供するGoogle Cloud PlatformのBigQueryや、Amazonの提供するAWSのRedshiftなどを拡張開発して、クラウドの安さをうまく利用する事例も出てきています。

リアルタイム型(アセンブリー型)のCDP

タグマネージャーの機能から派生しているCDPで、リアルタイムな動的処理に強みがあります。

デジタル広告に費用をかけているような場合は、リアルタイム処理だからこそ、一人の顧客に対するコストの最適化に活用することで費用対効果を得やすい傾向にあります。

例えば、EC事業者が未購入の見込み客(訪問したが購入無し)を複数媒体でリタゲ広告などで追いかける際に、媒体ごとで制御するのではなく、複数の広告媒体を横断して最適な配信コストにコントロールすることが可能です。カゴ落ちなど「いますぐ」のアクションを、メールやLINEやAppなどユーザーごとに最適なチャネルでお知らせを出せるなどの機能性もあります。いわゆるGoogleが提唱するマイクロモーメントを察知してマーケティング施策に活用するような事業に非常に向いています。

CX/CRM型のCDP

接客ツールやMAなどから派生したCDPで、施策ツール側と一体型となっているCDP製品です。

CX/CRM型CDPの施策ツール側を先に導入済みという企業も多く、その場合はCDPと施策ツールの連携開発の費用が抑えられるメリットがあります。 費用はオプション扱いとなっている場合もあり、自社で使いたい機能をピックアップして見積もりを取る必要があります。

日々のオペレーションで活用しているツールの場合は、その日々活用しているツールが起点となるため、学習コストが抑えられるメリットがあります。さらに使い慣れた施策ツールにCDPが加わることで顧客をより高度に捉えやすくなるため、現在の施策運用のレベル向上が期待しやすいでしょう。

一方で、同社製品群で取り揃える傾向が強くなるため、メーカーの縛りが強くなる傾向があります。別のメーカーの施策ツールを使いたい場合は、連携実績があるか、連携開発のコストがどの位かかるのかなどの確認が必要になる場合もあります。

※CDP製品の機能特徴としてはデータ蓄積型のタイプになると思いますが、ここでは施策実行ツールと組み合わせて導入検討することを前提としてタイプを分けて掲載しました。

CDPの種類と特徴一覧表

前段の内容を下記表にまとめました。

種類データ蓄積型リアルタイム型CX/CRM型
特徴複数データソース、過去データを統合し活用できる。リアルタイムにコミュニケーションを発動できる。施策ツール一体型。
適した
事業
・OMOなどオンラインとオフラインに顧客接点がある事業。

・顧客数が多く、顧客ニーズやステータスが多岐にわたりセグメントごとにコミュニケーションを分けた方が効果が出やすい事業。
・デジタル広告を多用しており、広告費の抑制やアロケーションによりビジネスが大きく改善する事業。

・商品やサービスの購入検討期間が短くここぞというタイミングで推しの一手のコミュニケーションが必要な事業。
・基本的にはデータ蓄積型と同様の事業。
(利用中の接客ツールやMAの当該ツールベンダーがCDPを提供しているような場合は、運用まで一気通貫できるため適している)
事前に
確認
処理に時間もお金もかかるので、自社の事業に大規模なデータが必要なのか確認する。過去データも活用する必要がある場合はDWHも組み合わせる必要あり。リアルタイムであることが顧客体験を向上させ、売上を引き上げる要因になるのか確認する。他社製品との組み合わせによる連携開発のコストや、機能制限がないか確認する。

ここまでお読みいただきありがとうございます。CDP導入は費用もリソースもかかる大きなプロジェクトとなるため、各社慎重に調査や協議を重ねて選定していきます。この記事では、 貴社の目的や環境に合わせたCDP選びの参考となるべく、一般的なCDPの種類やそれぞれの特徴を整理してまとめました。 今検討中のCDPがどのタイプなのか?目的から考えると他に検討すべきCDPはないのか?など今後の皆さまのCDP選定の参考となれば幸いです。

CDP選定について他の視点でも記事を書いていますので、こちらも併せてご覧ください。

別記事:CDPの費用対効果はどう算出するのか?|インフラとしてCDPを考える

別記事:CDPの費用対効果はどう算出するのか?|顧客のセグメント転換で考える

お役立ち資料をダウンロード『CDP導入にはいくらかかる?』

1to1マーケティング、OMO施策など、顧客体験を向上させるためにCDPの導入を検討されているケースをよくお見受けします。当社でも日ごろからCDP関連のご相談やご質問を多くいただいておりますが、中でも費用に関するご質問を大変多くいただきます。本資料では、これまでの当社の経験を元にした、DXプロジェクトを推進する上で知っておきたい「CDPの導入にかかる費用」についてまとめています。下記バナーからダウンロードしてお役立てください。

CDP導入にはいくらかかる?

データ利活用に必要な操作に特化しているからこそスモールスタート可能なCDP『Eark』

「データ統合基盤を導入したけど活用出来ていない」「初期投資を抑えてスタートしたい」「適切なターゲットに絞った配信を行いたい」等のお悩みを解決するために、当社ではエントリーモデルのCDP『Eark』をご提供しております。


この記事を書いた人

小畑 陽一
株式会社UNCOVER TRUTH
取締役COO(Chief Operating Officer)

music.jpやルナルナを手がけるエムティーアイ社出身。ソリューション事業責任者として、大手企業向けモバイルサイト構築ソリューションで、国内ナンバーワンのASPサービスを展開。2014年、取締役として株式会社UNCOVER TRUTHの取締役COOとして経営に参加。経営・事業戦略とマーケティングを管掌。 ad:tech Tokyo / Kyushu、宣伝会議、MarkeZine、Web担当者フォーラムなど講演活動多数。
著書:『ユーザー起点マーケティング実践ガイド』(CDP専門書籍)


データ分析や基盤構築、プロダクトの活用などについて、貴社の状況と目的に合わせて幅広くご提案します。
カスタマーデータのマーケティング活用にお困りの際はぜひお声がけください。

その他のCDP関連記事はこちらからご覧ください。

サービスのご相談、資料請求、
お問い合わせをお待ちしております。

We are looking forward for your inquiry.

お問い合わせCONTACT US