BLOG

ブログ

CRMの顧客体験向上のカギを握る!CRMでの顧客データ活用の最適解|セミナーレポート

この記事は、CRMエージェンシーとしてデジタルマーケティング活動を支援する弊社 株式会社UNCOVER TRUTHと、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)ソリューションを提供するトレジャーデータ株式会社と、LINEを活用した、コミュニケーションプラットフォームを提供するMicoworks株式会社との共催で、2023年10月31日に開催されたセミナー「顧客体験向上のカギを握る!顧客データ活用の最適解」の一部抜粋とアーカイブ動画のご案内をしています。

登壇者紹介

登壇各社から会社概要とサービス詳細についてご説明いただいていますので、詳細は動画本編でご確認ください。

トレジャーデータ株式会社

トレジャーデータ株式会社
副社長
執行役員
田井義輝 氏

Micoworks株式会社

Micoworks株式会社
ビジネスマーケティング部
Director
大里紀雄 氏


株式会社UNCOVER  TRUTH

株式会社UNCOVER TRUTH
COO
小畑陽一


CRMにおけるデータ取得・活用に向けた設計手法~必勝法とは

小畑(UNCOVER TRUTH):私たちの場合、まずは企業側のやりたいことや、今後目指す方向性を下図のフォーマットを使って整理しています。CDPのような多種多様なデータをまとめる箱を手に入れても、どのように活用するのかと、その優先順位を決められなければ、せっかく集めたデータを使いこなせない状況に陥ってしまいます。

そのような状態を避けるためにも、お見せしているのはその一部になりますが、下図のようなKPIツリーと、それに紐づけたCRM施策例を使い、ビジネスの良い悪いの現況と合わせながら、キーとなる指標を探し、指標に対してどのような施策を実行していくのかを整理していきます。

CRMでの顧客データ活用の最適解_画像1
KPIツリー

続いてお見せするのは施策一覧表(下図)です。CRM施策のターゲットや施策内容は勿論のこと「どのデータを活用するか?」「どのチャネルで、どのツールで実行するか?」までをこのシートで管理しています。例えば、トレジャーデータの会員データとECの商品在庫データと、MAに入っているデータを使って、どの実行ツールを使うのか?等を確認できるような作りになっています。

このような管理をしておくことで、各施策が「どの指標をどう改善するためのものなのか?」が明確になり、効果の検証もやりやすくなりますし、同じような施策を実行することも少なくなります。私たちは、企業側がCDPをより効果的に使っていく場面でご一緒させていただくことが多いので、このような整理手法を使って、より効果的にCDPを活用してビジネスの成果をあげるお手伝いをさせていただいています。

CRMでの顧客データ活用の最適解_画像2
施策一覧表

大里氏(Micoworks):ありがとうございます。ここまで、運用パートナー側である小畑さんからのお話でしたが、ツールベンダー側の田井さんからもお話をいただければと思います。

CRMでの顧客データ活用の最適解_画像3
KPIツリー

田井氏(トレジャーデータ):CDPは活用から逆算して、大きく始めすぎないことが重要です。CDPを魔法の箱のように感じる方もいらっしゃるかも知れません。保有しているデータをとりあえず全部入れて、あとでSQLで抽出して活用しようとしている場合、どこに何のデータが入っているかわからないような状態となることも珍しくなく、上手く活用できていないケースもあります。

ビジネスによって異なるとは思いますが「F2転換が難しい」「新規獲得の費用対効果が悪い」等の一般的に見られるビジネスの課題に対して、ユースケースから逆算して活用を考えていくことが非常に重要になります。

さらに、CDPの導入から9カ月〜10か月位で、なんらかの成果や、費用対効果を出せている状態を目指すのも重要です。あまり成果までが長くなってしまうと、CDPの導入が何の役に立っているのか?と社内でも疑問が出てくるようになり、プロジェクトを運営していくことが難しくなるように感じています。

データを収集するにも、データをアウトプットするにも、たくさんの関係者が関わっているケースが多いので、その方たちに「CDPを使うことで、こういった効果があります」ということを示し続ける必要があります。そのためにも、ユースケースからの、活用の勝ちパターンに当てはめていくところから始めるのが大切だと感じています。

小畑(UNCOVER TRUTH):期間と成果のお話をすると、私たちが最近行っているのは、3か月で最初の結果を出すことに挑戦しています。結果というのは、データの可視化等も含めて色々ありますが、例えば、オンラインとオフラインのデータを繋いだ時に、何を知ることができれば一番価値がでるのか?というのを3か月で作りに行くということに挑戦しています。

田井氏(トレジャーデータ):グローバルのユースケースだと、3~4カ月というのが多いですね。とはいえ、プロジェクトを実行されている方のことも考慮して、現実的に見ると9~10カ月位のように感じています。

小畑(UNCOVER TRUTH):そうですね。実際に私たちも、成果が出るまでに長い時間がかかってしまうこともありますので、現実的な考え方かなと感じます。とはいえ、それだと少し遅く感じられてしまう場面もあります。そのため、期間を短縮し、小さく生んで大きく育てるためには、まずは何を知るべきか?やるべきか?が分かることが重要だと考えています。例えば、ECとお店の両方を利用しているお客さまの売上が高いことが分かっていたとして、その中で、お店からスタートしたお客さまが多いのか、ECからスタートしたお客さまが多いのか等は、基礎的な集計で分かる部分もありますし、今後の方針を決めるのに役立つ情報を作りに行くということでも、価値あることだと考えています。

大里氏(Micoworks):ありがとうございます。ここで、ご参加いただいてる方から質問が来ていますので、お答えいただければと思います。

参加者からの質問①:「施策に関するデータの出力元を管理しているシートを拝見しましたが、施策効果はどのように管理されていますか?」

小畑(UNCOVER TRUTH):対になる効果検証のシートを別にご用意しています。例えば、セグメントを切って施策を実行したときに、セグメントを切ったお客さまと、その他のお客さまで差があるか?等の成果を確認しています。

さらにお伝えすると、私たちパートナー側に求められていることは、トレジャーデータのようなマーケティング基盤一式を導入して、運用費もお支払いいただく中で、これら総コストに対して、各施策がどのぐらいの効果があったのか?を分かる状態にすることです。

CDPの導入は高額になる場合が多いので、施策を実施することで、投資を回収できるかの予測も含めて効果を測定できる状態を作っています。私たちはそれをCDP関与売上と呼んでいますが、CDPを導入したことで初めて実行できる施策が、どのぐらい売上を引き上げているのか?も含め効果検証を必ず行っています。

参加者からの質問②「新規顧客向けの施策の時に、既存顧客に告知はしませんか?」

小畑(UNCOVER TRUTH):基本的に、施策とターゲットは対になりますから、新規顧客向けの施策の時に既存顧客に告知は行いません。

大里氏(Micoworks):私たちも同様ですね。仮に実施するとしても、日にちを分ける等して、データをうまく集計できる形で実施すると思います。

チャネルの統合を行うことでの成果

大里氏(Micoworks):CDPの導入理由の一つとして「データをまとめたい」「様々なチャネルでのコミュニケーションを統合したい」という話を良く聞きますが、実際にデータを統合することで、どのようなことが可能になるのでしょうか。

CRMでの顧客データ活用の最適解_画像4
株式会社トレジャーデータ 田井 氏

田井氏(トレジャーデータ):例えば、あるサービスで「1カ月たくさんご利用いただいたので、次のクラスで新しいサービスが受けられます」という情報を通知するとします。

クラスが上がった理由等、サービスとお客さまとの1カ月の関係性をまとめた情報を送るのであれば、メールが適しているかと思います。一方で、クラスが上がったことによる何か新しいサービス等の情報を通知したいという場合は、LINEやモバイルアプリで通知した方が良い場合もあります。大元として伝えたい情報は、同じなのですが、その情報のどの部分を伝えたいのか?によって、発信するメディアは異なることがあります。

新しいキャンペーンを行う際にも、メールとLINEとアプリから一斉に同じ通知が来るというのは、お客さまにとって煩わしく感じられてしまうことがあります。そのため、全てのメディアで一斉に通知するのではなく、そのお客さまが確認しやすいメディアを予測して、そのメディアで反応があれば、通知を終わらせるという施策は、デジタルではシンプルに実施されているかと思います。

いずれにせよ、全てのメディアで通知するのか、一つのメディアで通知するのかは、そのメディアとそれぞれのお客さまの特性に応じて決めていくことで効果はあると数値上でも認識していますが、自分自身のユーザー体験としても、効果があると感じていますし、このようなことをいかに簡単にできるようにするのかが重要だと考えています。

CRMでの顧客データ活用の最適解_画像5
Micoworks株式会社 大里 氏

大里氏(Micoworks):一般消費者の期待値が上がっているように感じています。私たちのようなマーケティングに関わる仕事をしていると、チャネルをまたいだコミュニケーションの難しさを理解していますが、AmazonやNetflixなど、日頃から複雑かつ高度なテクノロジーを扱える企業に慣れている一般の消費者からすると「このレベルのコミュニケーションが当たり前」という感覚であるため、他の企業でも同様にマルチチャネルでの最適なコミュニケーションを期待してしまう。それができていないサービスの場合、マイナスとして捉えられてしまうリスクがありますよね。

田井氏(トレジャーデータ):期待値は上がっていると思います。プライベート、仕事にせよ、ほとんどの情報がスマートフォンに届いています。データが裏側でどのように活用されているか分からない一般消費者からすれば、同じスマートフォンにバラバラに情報が届くことに煩わしさを感じるのは自然ですよね。

大里氏(Micoworks):小畑さんに先ほど見せていただいた、施策管理表を見ると、チャネルを横断した施策も記載されていたかと思いますが、チャネルを横断した施策に取り組んでいくと、単発のチャネルで実施するよりも成果が出やすいのでしょうか?

CRMでの顧客データ活用の最適解_画像6
株式会社UNCOVER TRUTH 小畑

小畑(UNCOVER TRUTH):そうですね。チャネルを横断した施策が実施できるようになると、シナリオの組み方も工夫ができるようになります。

例えば、LINEの配信は費用がかかるため、お客さまからのリターンがすぐに得やすいお知らせであれば、LINEで配信しますが、そうでないようなお知らせであれば、先にメールを配信して、翌日未開封ならば、LINEで配信する等の優先順位を決めてシナリオを用意することもできるようになり、コストコントロールもできるようになります。他にも、様々なチャネルを通じてお客さまとコミュニケーションする上で、お客さまに嫌がられていることを見つけられることが重要だと考えています。通知した情報が開かれてない、それによりオプトアウトされた等の状況が見えるようになっているかが大事です。

お客さまに嫌がられている状況をキャッチして、分析して改善できるように、BIダッシュボードや定例会議で効果を確認する等の運用が必要になります。

田井氏(トレジャーデータ):どのチャネルで通知するべきか、このお客さまに10通を送っていいのか、100通送っていいのか?というのは、マシンラーニングで実行していった方が良いと私は考えています。

お客さまそれぞれによって違う反応や、通知にかかる費用等の必要なデータが溜まっていれば、マシンラーニングにお願いする部分と、人間で考えていくことを組み合わせることで、データに基づいた冷静に判断と実行ができるようになると考えています。

大里氏(Micoworks):個人的に、複数チャネルを扱っていくことで運用コストがあがる点が気になっていたのですが、小畑さんのお話にあったようなPDCAの運用方法や、田井さんに最後お話いただいたような人間でできないところはマシンラーニング等を活用して改善を図ることが重要なのだと感じました。

セミナー動画はこちらから

本セミナーレポートは内容の一部を抜粋しております。すべての内容はぜひ動画内でご確認ください。※動画は遷移先のページでご登録後にご覧いただけます。

外部リンク:顧客体験向上のカギを握る!顧客データ活用の最適解

UNCOVER TRUTHでは、CDPやCRMを主軸にデータ活用に関して皆さまのお役に立つコンテンツをお届けしてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
その他のCRM関連記事はこちらからご覧いただけます。

サービスのご相談、資料請求、
お問い合わせをお待ちしております。

We are looking forward for your inquiry.

お問い合わせCONTACT US