ECサイトでカート遷移率が130%改善!USERDIVEを活用した改善事例|セミナーレポート
Web接客ツール「ecコンシェル」の提供を開始したNTTドコモ様と共同セミナーを開催しました。
今回のテーマは「実レポートで学ぶマガシーク売上UPのスマホ改善事例」。EC事業者必見の直球テーマで、弊社CAOの小川卓が、国内最大級のファッション通販サイト「マガシーク」様のスマホサイト改善事例をご紹介しました。
-小川卓おすすめ:アクセス解析ツールとヒートマップツールの併用
EC事業者を始めとするWeb担当者の中には「アクセス解析ツールは使ったことがあるが、ヒートマップツールは使ったことがない」という人も多いのではないでしょうか。
小川はこれら2つのツールについて、それぞれの役割を以下のように説明しています。
- ヒートマップツール=発見された課題について、その原因を深堀する役割
- アクセス解析ツール=常にデータを取り続けて課題を発見する、インフラに近い役割
例えば「ページ下部にあるボタンがクリックされていない」という課題がアクセス解析ツールによって発見されたとき、その原因が「ページがスクロールされておらず、そもそもボタンの存在が認識されていない」のと「ページはスクロールされておりボタンの存在は認識されているのにクリックされていない」のとでは、提案するべき改善施策は大きく変わってきます。この原因の部分を深堀りできるのがヒーマップツールです。
一方で、アクセス解析ツールによる課題ページの発見というプロセスを抜きにしてヒートマップツールだけを活用しようとすると、ユーザー行動の特徴は把握できるものの「なるほど」という感想で終わってしまうという弱点があります。
このように2つのツールが役割を補完し合えることから、小川は「ツールを導入したもののCV改善につながるような効果的な活用をできていない」というWeb担当者の悩みに対して、2つのツールの併用という方法をおすすめしています。
-カートへの遷移率が130%改善した「マガシーク」様のヒートマップツール活用事例
ここからは、国内最大級のファッション通販サイト「マガシーク」様のスマホサイト改善事例のご紹介です。
このプロジェクトのミッションは「商品詳細ページの改善」。元々アクセスが多く改善した際のインパクトが期待できるということに加え、アクセス解析ツールの活用によって商品詳細ページの直帰率高さが浮き彫りになっていた、ということがミッション設定の背景でした。
さらに、ログイン状態のユーザーとログオフ状態のユーザーに分けて分析すると、それぞれについて以下のような行動のギャップが見えてきました。
- ログインユーザー…1訪問あたり平均6ページ閲覧。一覧ページと詳細ページを交互に見ている人が多い
- ログオフユーザー…1訪問あたり平均4ページ閲覧。商品詳細ページから直帰する人が多い
行動のギャップが顕著なところにヒートマップを当てるというのがヒートマップツール活用のコツ。ここへさらに、スクロールヒートマップやタップヒートマップといった異なる機能のヒートマップを掛け合わせることで様々なことが見えてきます。
まず、スクロールヒートマップからは以下のような気づきを得ることができました。
- ページ下部までしっかりスクロールされている→購入へ誘導するボタンの位置には問題がない
- テキストによる商品説明のところから離脱が始まっている→文章量が多すぎる?
次に、タッブヒートマップからは以下のようなユーザー行動が浮き彫りになりました。
- 「在庫なし」という表示からの離脱が多い→色やサイズを切り替えれば在庫がある、ということがユーザーに伝わっていない?
これらの課題に対してUNCOVER TRUTHは「ボタンの位置を変える」「『在庫なし』の表示を『カラー/サイズを選択』に変える」など8種類の改善施策を提案・実施。その結果、ログオフユーザーの商品詳細ページからカートへの遷移率は130%に改善しました。
「アクセス解析ツールでギャップが顕著だったページにヒートマップを当てると、ヒートマップツールからもギャップが読み取れることが多い」と小川。2つのツールの相乗効果によって、より確度の高い改善施策につなげることができるのです。
-人工知能によるウェブ接客ツール「ecコンシェル」
後半はドコモ様からイノベーション統括部の石川氏が登壇し、Web接客ツール「ecコンシェル」を使った効果的なPDCAの回し方について、同社が提供するファッション通販サイト「dファッション」の事例に沿ってご紹介いただきました。「ecコンシェル」はドコモ様が6月8日に提供を開始した、人工知能による購買支援システムです。石川氏は「Webでの接客はそんなに難しいことではない」と、人工知能によるWeb接客の展望を語りました。
最後の質疑応答タイムでは「在庫データとヒートマップデータの連携について」や「セグメントの切り方は」など、様々な質問があがりました。Webサイト改善の達人に直接質問をぶつけられる機会でもありますので、このブログをご覧の皆さまもぜひUNCOVER TRUTHのセミナーにご参加ください。
UNCOVER TRUTHは今後もこのようなセミナーを通して、プロフェッショナルの知見やノウハウを積極的に発信してまいります。
■関連サービス
ヒートマップツール「USERDIVE」
Webサイト改善「改善PDCAアウトソーシング」