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マイナビバイト様の事例を交えて、成果の上がるPDCA構築方法を公開|セミナーレポート

株式会社アッション社と共同セミナーを開催しました。今回のテーマは「CROの集大成!マイナビバイト様の事例を交えて、成果の上がるPDCA構築方法を公開!」です。


KPIはただの評価指標ではない

PDCAの重要性は分かっていても「そもそもなぜ重要なのか」「運用を成功させるにはどうすればいいのか」という質問に答えられないというWeb担当者の方も多いのではないでしょうか。セミナー第一部では、弊社CAOの小川卓が「PDCAの回しかた 実践編 」をテーマに講演をしました。

PDCAの運用を成功させるために必要なのは「組織の全員が納得出来る数値目標(ゴールとKPI)を持っている」こと。ここで言うKPIは「ただの評価指標」ではなく、議論を経たうえで組織全体がそこに向かっていく「改善に結びつく数値指標」です。そのため、設定したKPIを組織に周知し、サイト・ビジネス・組織・個人の評価に含まれるものであるという共通認識を醸成することもWeb担当者の重要な役割の一つであると言えます。

このような認識のもと、正しいKPIを設定するためのステップとして小川は以下の3つを挙げました。

  • データによる分析
  • 合意プロセス
  • KPIそのものを信じてドライブする環境づくり

そもそも、なぜPDCAが必要なのか

もちろん組織全体が納得するためには「そもそもPDCAが必要な理由」を理解していることが不可欠です。小川はいつも「打席数」「打率」という表現を用い「PDCAは成功を確約するものではないが、PDCAを高速に回すことで打席数を増え、その結果として打率が上がる」と説明しています。この「PDCAは打率を上げるためのものである」という正しい認識を共有し、かつ先ほどのステップを経て正しいKPIを設定できなければ、PDCAの運用を成功させることはできないといっても過言ではありません。

一方PDCAの運用が失敗に終わってしまう理由について「Plan、Do、Check、Actionのどこかに必ずつまずきの原因となるボトルネックがある」と小川。一つ一つの段階で想定されるボトルネックの例をあげながら、Plan、Do、Check、Actionの各ステップが万が一止まってしまった場合の具体的な対策を紹介しました。

最後に「データドリブンな文化を作るために重要なこと」として小川は以下の3点を挙げました。

  • データ取得・レポート・分析は手段改善施策の提案と実行を評価する
  • 分析とPDCAを通じて成功確率を上げることが出来る成功確率はアクションの実行回数と精度
  • データドリブン=「数値では語らない」「施策で語り、数値で証明する」

パネルディスカッション「新しい取り組みへの先行投資」

第二部でご講演いただいたアッション様は、ABテスト・LPO対策・Web解析などに精通したWebマーケティングカンパニー。グローバルで4000社、国内で300社以上が導入しているABテストツールVisual Website Optimizer(VWO)を国内で唯一取り扱うプレミアムパートナーとして、マーケティングへの効果的なABテストツールの組み込み方についてお話しいただきました。

第三部では、そのアッション様のABテストツール「VWO」と、弊社のヒートマップツール「USERDIVE」の両方を導入しているマイナビバイト様から、アルバイト情報事業運営事業部長の坂本一弘氏をお迎えして、パネルディスカッションを実施しました。

マイナビバイトでは【Log分析からKPI設計→ヒートマップ分析→課題抽出・改善施策提案→ABテスト→効果検証】のプロセスで、半年前からWebサイト改善への取り組みを本格化させ、1年間で130%改善を達成。現在も継続的に高速PDCAを回しています。実はこのプロセスにアッション様が加わったのはプロジェクトの途中から。まさに「どのようなツールを導入するか」「どのような組織体制を取れば最適化できるか」ということを含めてPDCAを実行し、その結果、一つの改善活動に3カ月かかっていた状況から現在は1カ月に4回PDCAを回せるまで、高速化に成功しています。

新たなマーケティング手法を導入する際のポイントとして坂本氏は「”ずらし”のマーケティング」という言葉を用い、市場の動向や競合他社の状況を見極めながら、コストとリソースを先駆けて投資していくことの重要性を語りました。このような先行投資に消極的な文化をもつ企業へのアプローチとして、弊社COOの小畑はベンダーの視点から「コモディティ、レッドオーシャンで闘っている企業様に対しては、SEOや広告にかけているコストの移行を提案できるのではないか」。またマイナビバイトの場合、新しい取り組みへの投資を積極的に実行できる理由は、坂本氏個人に与えられた裁量という要因に加え「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マトリックス)で判断し、タイミングを含めてやる価値があるかどうかをチームで判断している」という体制にあると言います。

参加者からは「内製化のための人件費ではなく、アウトソースするための費用にあてるという選択をした判断軸は何か」「内製化するタイミングについてどのように考えているか」という質問が挙がり、坂本氏は「キャチアップしていくスピード感の担保も含めて、今は改善業務をアウトソースする方が得策だと判断している。社内のリソースは、商品そのものの差異を生み出していくことに費やしたい」と回答。「集客を担当する部署と運用を担当する部署が全く連携できていない」という悩みに対しては「我々もうまく回らない部分があるのが実情。分かり合えない部分はあってしかるべきで、その時々によってどちらの提案を優先させるのかを判断できる体制こそが重要」であると話しました。こうした悩みについては社内横断的な新しい部署を設置することも方法の一つですが、その場合には所属する人員の評価軸を設定するのが難しいといったハードルもあり「アウトソースすることによってそのようなハードルを回避することができる」と坂本氏。改善活動をアウトソースする多様なメリットについて、ご意見をいただきました。最後に「同じことを同じようにやっていても想定内の結果しか出ない。ゴールが分からずとも、先行投資によってそこを突破してみては」との坂本氏のメッセージで、パネルディスカッションを締めくくりました。

UNCOVER TRUTHは今後もこのようなセミナーを通して、プロフェッショナルの知見やノウハウを積極的に発信してまいります。

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