CRO(コンバージョン率最適化)とは?|まずは用語、手法、手順を理解しましょう

こんにちは。Content Analytics事務局です。今回は、CROの意味やCROの手順&実施時のポイントを解説していきます。下記のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご覧ください!

  • CV(コンバージョン)を上げる活動を、どのような手順で進めていいかわからない
  • 様々な流入施策(広告やSEO、SNS)を実施しているが、大きな成果を生み出せていない

CV(コンバージョン)とは?

そもそもCVとは何を指しているのでしょう?

CVは、Webサイトなどの運営側が設定する「ユーザーに起こして欲しいゴールとなる特定のアクション」のことを指します。例えば下記のようなものです。

  • 購入完了
  • 会員登録完了
  • メルマガ登録完了
  • SNSフォロー
  • 資料請求登録完了
  • アプリダウンロード

CVの内容は、ビジネスモデルやWebサイトの目的、担当者が任されている領域によっても異なります。

CRO(コンバージョン率最適化)について

CROとは、コンバージョン率の最適化、つまりはコンバージョン率の改善を行うことです。

  • CR(Conversion Rate)=コンバージョン率
  • O(Optimization)=最適化

前段の「CV(コンバージョン)とは?」を踏まえて、もう少し細かく説明すると下記になります。

  • CRO=より多くのCVを効率的に獲得するために、Webサイト(アプリなども含む)を改善していく活動

CVがビジネスモデルやWebサイトの目的、担当者が任されている領域によって異なるように、CROの定義もそれに応じて変わります。

ビジネスモデルなどによって変わるCROの方向性

例えば、Webサイトでお問い合わせが発生した(CV)後に、営業担当者が企業に訪問し、見積もりを出して、その後受注するようなBtoB企業の場合は、受注に繋がりやすい質の良いお問い合わせ(CV)をより多く獲得していくために、Webサイトを改善していくとなります。

他にも、店舗を保有するECサイトであれば、店舗への誘導(CV)を多く獲得するために改善していくとなることもあるでしょう。このように、CVの目的に応じて、コンバージョン率最適化の方向性は大きく変わっていきます。

CROの手法は何を改善したいかによって異なる

CRO(コンバージョン率最適化)の手法

代表的なCROの手法をいくつか紹介します。

LPO(Landing Page Optimization|ランディングページ最適化)

広告などから呼び込む先となる、サービス紹介から購入までを1つのページで完結させるような、ユーザーを特定のアクションへと誘導することに特化したページ=ランディングページ(LP)を改善していく手法です。

ランディングページの構成や内容を見直し、直帰率の改善やユーザーのクリック、閲覧などのアクションを高めていくことで、CVにつなげます。LPOを行う際には、次に説明しているABテストやEFO等の手法を用いながら改善していくことも多くあります。

※ユーザーが、Webサイトで最初に訪れるページを、広義ではランディングページと呼びますが、LPOの場合は、先にお伝えしたような1つのページで購入までを促すようなページの改善を指す場合が多いです。

ABテスト

現在のページ(A案)に対して変更を加えたテストパターン(B案)を用意し、一定のルールに基づき、流入したユーザーを両ページへ振り分け、どちらの案の成果が良かったかをテストします。

ABテストについては、別記事:「意外と知らない?ABテストの成功率を格段に上げる5つのステップ」でも解説していますので、併せてご覧ください。

・Web接客

ユーザーがWebサイトと何かしらの接触をした際に、Web上で接客(コミュニケーション)する手法です。

個々のユーザーの特性に合わせて、ユーザーが欲しい情報に辿り着けるようにオススメの商品をPOPUPで表示するなど、出来るだけ効率的にユーザーが欲しい情報に辿り着けるよう、実店舗のようにアプローチをします。

・EFO(Entry Form Optimization|フォーム最適化)

フォームの内容の精査や項目数を見直すことで、フォームに入力しようとしているモチベーションの高いユーザーをできるだけ取りこぼさないようにする手法です。

入力エラー時の表示やSNS連携の導入など、入力時のユーザーの負荷を下げることで、CVを増やします。

CRO(コンバージョン率最適化)の手順

前段のような手法を用いて実行していくCROですが、その手順は大きく5つに分かれます。

  1. 環境の整備・・・必要なデータの取得設定
  2. 全体を分析・・・改善箇所の特定
  3. 施策の決定・・・改善箇所の課題を解決するための施策
  4. 施策の実行・・・施策を目的通りに正しく実行
  5. 効果を検証・・・結果から、次の改善に繋げる

環境の整備・・・必要なデータの取得設定

下記のように、基本的なデータを正しく取得できていないケースにも遭遇しますので、まずは正しく必要なデータを取得できるように設定を進めましょう。

  • 解析ツールの目標(CV)設定ができていない
  • CVまでにドメインをまたぐがクロスドメイン設定ができていない
  • 計測に不要なデータを除外できていない

より高度なデータ分析を行う場合は、顧客データベースなど個々のデータベースと連携させるデータ基盤の整備が必要となる場合もあります。

データ基盤の整備(データ基盤設計)を考える際には、以下のポイントを必ず押さえるようにしましょう。

  • データの目的・・・データを使って何をしたいのか
  • データの種類・・・それに必要なデータの種類は何か
  • データの取得・・・どこで、どのように、どのタイミングで必要なデータを取得するか

データ基盤を整備するには、分析の知識だけではなく、データベースの構造理解やデータの取得方法への理解も必要となるため、専門性の高い外部パートナーの知見も借りながら進めていくことをおすすめします。

データ基盤の整備を進めることで、CRMやオフライン施策など様々な場面で、これまで取得してきたデータを活かす機会が増えていきます。施策の幅も広がり、より高い精度の施策の実施も期待できます。ぜひ一歩踏み出して挑戦してみてください。

全体を分析・・・改善箇所の特定

CROを行うには、Webサイトにどのような課題があるのか?を明らかにする必要があります。ですが、改善すべき課題が1つだけというケースは少なく、複数の課題を持っているのが一般的です。とはいえ、リソースと予算には限りがあるため、すべての課題を一度に解決するのは現実的ではありません。

そのため、どの課題をどの順番で改善していけば、リソースや予算を加味しながらCVに大きなインパクトを与えることができるのかを考え、課題に対して優先順位をつけていく必要があります。そのために、Webサイト全体を分析し、現状理解を進めます。

ここで重要なことは、Webサイトのボトルネックの発見とボトルネック内にある課題の把握です。

Webサイト全体のボトルネックを発見するためには、ファネル分析が有効です。ファネル分析とは、ユーザーがWebサイトに訪問してから、CVまでの経路のどこで離脱しているかを把握する分析方法です。

ファネル内で離脱率の高いページを優先的に改善することで、早く、大きな改善が期待できます。

購入完了をCVとしたファネル分析

ボトルネックのページを見つけたら、ヒートマップツールやコンテンツ分析ツールを用いてページ内を分析します。CVしているユーザーとCVしていないユーザーとの行動の違いや、CVに貢献している、CVに貢献してないコンテンツの違いや差分から改善箇所を特定する分析も行いましょう。

このように、Webサイト全体を分析し、Webサイトのボトルネックとボトルネックのページ内の課題を明らかにしていきます。

当社では、Webサイト全体のボトルネックを発見するファネル分析機能(別記事:Content Analyticsのファネル分析機能が本当に使いやすいという話。)も有しながら、ページ内のコンテンツ(各要素)の閲覧状況、インタラクション、CVへの貢献率も確認できるツール『コンテンツアナリティクス』を提供しております。分析~改善に向けた具体的な示唆を得やすいツールです。

コンテンツアナリティクス

③施策の決定・・・改善箇所の課題を解決するための施策

ここから、ボトルネックを改善するための具体的な施策を決め、実行へと進んでいきます。

ABテストで施策を実行していくケースが多いですが、例えば、改善箇所の改修がシステムへの影響が大きく困難な場合には、Web接客ツールによる施策を先に進めたり、改善箇所が自分の管轄ではなく、他部門の説得に時間がかかるといった場合には、違う改善箇所を先に行うといった具合に、状況や環境を考慮しながら、施策を決定していきます。

CROの手法は企業の状況によっても異なる

また、結果を振り返りやすくすることも重要なポイントです。

次ページへの遷移率をあげたいのか、ページ内の読了率を伸ばしたいのか、その施策をCVR以外でも評価できる中間指標をあらかじめメンバー内で定義し、それを計測できるような各種ツールの設定内容を定義しておきましょう。

適切な施策と優先順位づけの決定に不安を感じるようであれば、専門的知見のあるパートナー探しも検討してみてください。

④施策の実行・・・施策を目的通りに正しく実行

施策の実行から別の会社にアウトソースする企業も多く、当事者が変わることがあります。そのため①~③までのプロセスで決定してきた、そもそもの目的や意図と違う設定や表現がされていないか?をしっかりチェックする必要があります。

  • 施策が意図したアウトプットになっているか?
  • 実施期間(タイミングと長さ)は適切か
  • 実施対象(ユーザーセグメント)は正しく定義・設定されているか
  • 取得しなければならないデータが正しく取れているか

⑤効果の検証・・・結果から、次の改善に繋げる

トラフィック量が多いWebサイトの場合や、CVまでの経路が複数存在するWebサイトの場合は、CVRの変化があらわれにくい場合があります。最終的なCVの変化はもちろん確認しますが、施策の立案時に設定した中間指標の結果についても確認しましょう。

結果が良かったのであれば本番環境への実装を行います。また、この結果から他にも適用できそうな箇所があれば、同様に本番環境への実装を検討します。

仮に結果が良くなかった場合には、その施策自体の敗因を特定し、改善を施すという作業を繰り返していきます。そのためにも、中間指標も施策ごとに検証して、勝因と敗因を分析しやすい環境を用意しましょう。

CROの結果(勝敗)によって次の対応が異なる

編集後記

みなさんこんにちは!Content Analytics事務局です。

今回は「CRO(コンバージョン率最適化)」について書いてみました。「うわっ!やることいっぱい・・・」「なんだか大変そう・・・」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、手順や内容を分かったうえで進めていくと、意外とスムーズに進められるようになります。CROは、確実に皆さまの成果に繋がる手法の一つです!何かお困りごとが出てきた際は、いつでもお気軽にご相談くださいませ!


この記事を書いた人

コンテンツアナリティクス事務局

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