この記事が解決できること
- 昨年比を同日ではなく、同曜日で出す方法がわかる
- 統合機能と関数に詳しくなる
突然ですが、Looker Studioで昨年比を出している方に伺います。
同曜日の昨年比も出せるってご存知ですか?
Looker StudioはBIとして大変優れており、わざわざ昨年比を出すためのカラムを用意して計算をさせる必要はありません。グラフを作成後、比較のための期間を昨年とすれば終了です。もしもそれが同日の昨年比で問題なければ。。。
しかし、小売業を始めとした曜日単位で実績を確認したい業界においては、同日の昨年比では何かと不都合があります。
そこで今回は、Looker Studioの機能だけをフル活用して、データソースは一切触ることなく同曜日の昨年比を出す方法をご紹介します。
Looker Studioの昨年比
Looker Studioの昨年比の仕様について、実際の画面を交えながら紹介していきます。今回使用するデータは、Tableauという別のBIツールに付属しているサンプルデータを使用しました。日別の売上が格納されているシンプルなデータです。
上記のスコアカードから、
「2022年1月1日の売上は¥245,682-。なおかつ同日の昨年比はプラスで36.3%」
ということがわかります。
上記は2021年1月1日の売上です。この数値で昨年比を計算すると
245,682÷180,240=1,363…
確かに、同日昨年比で36.3%アップしていることが確認できました。
昨年比(同曜日)を出す方法
それでは同曜日ベースで昨年比を出すにはどうしたらいいでしょう
実は、Looker Studioの統合機能と、計算フィールドを工夫することで算出することが可能です。
昨年比(同曜日)を算出するためのロジック概要
まずはデータ統合を行うのですが、以下の簡易化したテーブルを想定して統合の大まかな考え方を解説します。
今回の統合では、同じテーブル同士を統合(完全外部結合)することで、当該日のレコードに対して昨年同曜日の実績を持ったカラムを作成していきます。
完全外部結合するのには理由があります。当年と昨年の比較対象どちらかに販売実績が存在しない場合を考慮しなければいけないからです。
例:当年の1/3(月曜)は売上がないが、昨年の1/4(月曜)には売上があった。
このケースで左外部結合をすると、昨年の1/4(月曜)のデータは欠落してしまいます。これでは月単位で昨年比を出す時に正しい数値が出ません。
テーブル結合をすると、結合条件に一致しなかったレコードはnullを含んだ状態になって残ります。
したがって、結合したテーブルから新たなカラムを作成する必要があります。
データ準備
まずはデータソースに対してカラムを追加します。
統合の設定をします。
結合条件を設定します。
グラフを作成する
今回はデータ確認のためにシンプルな表を作成します。
ディメンションを計算フィールドで作成します。
IFNULL(オーダー日 (表 1),DATE(DATETIME_ADD(オーダー日 (表 2),INTERVAL 52 WEEK)))
指標も計算フィールドで作成します。
IFNULL(売上 (表 1),0)
IFNULL(売上 (表 2),0)
SUM(IFNULL(売上 (表 1),0))/SUM(IFNULL(売上 (表 2),0))
グラフが完成しました!
当年の実績に対して、昨年同曜日の実績が紐づいていることがわかります。これでLooker Studioの操作は以上です。
まとめ
今回はLooker Studioの機能だけを使用して昨年比(同曜日)を算出する方法を紹介しました。本来ならSQLで出す必要のありそうな分析も、少し工夫をすることでLooker Studioだけで実現できる場合があります。次回は、BigQueryとカスタムクエリを使用して、今回のような昨年比(同曜日)を算出する方法をご紹介します
ここまでお読みいただきありがとうございました!