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広告実績どうやって管理してますか?
広告が多様化している中、「どのように各広告媒体からのデータを管理するのか?」という課題を抱えている企業は増えています。
特にデジタルマーケティングが盛んになっている今、各広告をスポットで評価するのではなく、広告実績を統合し、チャネル横断的に顧客を理解することは最適なマーケティングを行う上で非常に重要です。特にクロスメディア広告を打っている企業にとっては、広告実績の理解は急務になっています。
また、広告データは日々蓄積していくこともあってデータ量が大きくなりがちです。Excelで管理していたものの限界がきている……という企業も少なくないでしょう。
本記事では、実際に広告ツールのダッシュボードをExcelからBIツールに置き換えた具体事例を元に、その流れとポイントをご紹介します。
直面していた課題
ある企業では、Excel内で毎日複数のデータを統合して広告の帳票を作成していました。
その中でも下記のような課題に直面していました。
- 毎回手動でデータの修正を行うなどのアナログ作業が発生
- Excelの内部関数がどんどん複雑化していて、メンテナンスに本業以外のコストがかかる
- 扱えるデータに限界が出てきて、たびたびExcelがフリーズ化している
別記事でも触れていたように、Excelはあくまでも「表計算ソフト」なので、膨大なデータを取り扱うことには向いていません。
自分の業務にはExcelとBIツールのどっちがいいんだろう?と迷っている方はこちらの記事もご覧ください。それぞれのメリデメを分かりやすく解説しています。
どのように解決したか?
実際に私たちUNCOVER TRUTHが、どのような流れでExcelの帳票をBIツールへ変換していったかをご紹介します。
STEP1.準備
まずはダッシュボードを作成するまでの準備です。このフェーズでは、各担当者へのヒアリング、使用ツールでできることを洗い出しながら最適な作業環境を模索します。
①データフローの整備
現在のデータフローを洗い出し、目指す状態の共通認識を設計します。 この時、セキュリティ面、運用面の実現可能性、ツール上の特性など様々な側面から検討を行っていきます。
下図のように現状のフローを洗い出した上で、TO BEをクライアントと模索しました。
②現行の帳票の読み解き・元データの理解
Excel帳票の関数が複雑化しているケースが多いので、まずはデータの中身を把握した上でどんなデータ処理が必要かをひとつずつ整理していきます。
- 各データの理解
- Excel内に張り巡らされた関数の読み解き
- 各シートの関係性やデータ処理順序の整理
③現場メンバーへ運用についての改善ヒアリング
使用者にしか分からないExcelのクセやアナログな手動処理がないかを確認します。
また、更新頻度や使用シチュエーションなどの「実際に扱っている現場」をヒアリングします。その情報を元にBI上でのフィルター機能やデータフローの最適化方法を設計します。
STEP2.移行
いよいよ移行開始です。ここからはデータを適切に取り扱うだけではなく、ユーザーにとっての使いやすさを意識した設計などの視点が求められます。
①データの蓄積・加工・集計を半自動化
一日一回(AM 5:00)に自動で最新データを取得し、加工をするよう設定を行いまいした。また、必要に応じて適宜手動でも最新化できるようにしています。
②中間テーブルを作成し、統一的な処理を行ったデータマートを作成
単純にデータを加工するだけなら今までの複雑なExcel処理と変わりません。
中間テーブルを設計することによって、各自が独自で設定した微妙な指標のズレをなくすことでデータの品質を向上させ、データの集計にかかる時間を長期的に削減することができます。
上記のようにデータ処理をより効率化することで、アドホック分析のような単発分析でも適切な処理がされたデータを使用することができます。
③ダッシュボード作成
設計したデータマートを実際に作成していきます。
処理したデータの集計にミスがないか、必要なセグメントはきちんと反映できているかなどをチェックしながら進めていきます。
STEP3.運用
実際にダッシュボードができたら、日次バッチを動かしながらユーザーに触ってもらいます。現行環境がある場合は、併用期間にバッファを持たせて運用していくのがベストです。
①現行帳票との併用
併用期間を用いることで、データの集計エラーはないか?実用に耐えうるか?をチェックします。ここでは大きなエラーが出ないのが理想ですが、ユーザーが想定外の使用方法をする可能性もあるので、少し長めに時間を見積もります。
②付随資料の作成
今後運用する際に必要な資料を作成します。具体的には下記のようなものですが、それぞれの企業の状況などに応じて変更してください。
- データ定義書
- BI定義書
- ダッシュボードの使用方法レクチャー資料
③細かい設計の微調整
必要に応じて調整を行います。大きな改修の場合は現場とすり合わせてしっかりと改修期間を決めて対応を行います。
ポイント
ダッシュボード化を成功させるポイントは以下の3つです。
1.スモールスタートが鉄則
ダッシュボードを設計・作成していると「もっとこんな指標が見たい」「あんな内容を見れたら嬉しい」など要望がどんどん湧いてきます。
ですが、まずは欲張らずにぐっとこらえて最重要の指標のみに絞りましょう。実際に使っていく中で拡張する内容に優先度がつけられたら、ひとつずつ着実に拡張するのがおすめです。
2.使用目的の明確化
プロジェクトと同じで、ダッシュボードも「何のために作るのか」が重要です。使用目的と分析・評価をしっかりとすり合わせて、現場で使われるダッシュボードを目指すことが大切です。
3.データの精度
データ整備の精度は直接ダッシュボードや分析の精度に直結します。顧客をより適切に把握するためには、データクレンジングや名寄せ、異常値の対応や除外などの対応が必須です。こういったステップをおろそかにしてゴミの混ざったデータを使用すると誤った判断をしてしまう可能性があります。
ダッシュボードは少しずつ使いながら育てていくものでもあります。最初から完璧なものを作ることはできません。まずは手の届く範囲から始めてみましょう。
ダッシュボード作成についてもっと詳しく知りたいときは
社内で長く使われるダッシュボードの作り方についてはこちらでさらに詳しく解説しています。各フェーズに分けて押さえておくべきポイントを解説しているので、併せて読んでみてください。
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