今話題のアナリティクスエンジニアとは?データ組織における役割を解説!
更新日:2024/05/23
目次
この記事が解決できること
- アナリティクスエンジニアの役割や重要性について理解できる
- データ活用組織の課題に気付ける
- アナリティクスエンジニアの活躍事例を知ることができる
近年、ビジネスにおけるデータ活用がますます重要視され、多くの企業が顧客獲得や育成にデータを活用する時代になりました。この中で、データアナリスト、データエンジニア、データサイエンティストという職種が注目を集めていますが、最近では「アナリティクスエンジニア」という新たな役割が注目されています。
この記事では、アナリティクスエンジニアとは何か?についてわかりやすく解説していきます。
アナリティクスエンジニアとは?
一言でいうと、アナリストとエンジニアの懸け橋となって、企業のデータ活用を推進していく存在です。
アナリティクスエンジニアという職種は、dbt Labs社が提唱したものであり最近では国内の各企業でも新たな職種として採用している会社もあります。
従来のデータアナリストは主にデータの分析と可視化に従事し、データエンジニアはデータの収集や処理に焦点を当てていました。
アナリティクスエンジニアは、データエンジニアよりビジネス側に近い存在で、マーケターやビジネスサイドの人材が成し遂げたい目的に沿って、データを加工・整備する役割を担っています。
アナリティクスエンジニアは、ビジネスサイドであるデータアナリストとシステムサイドであるデータエンジニアの間をつなぎ、マーケティングに活かせるデータを作る役割を果たします。具体的には、以下のような役割があります
- データアナリストが実施したい分析を理解し、そのために必要なデータを考えて作成する。
- データを一通り理解し、現データでできることやできないことを判断する能力を持つ。
- 必要に応じてデータエンジニアにデータ環境の整備を依頼する。
例えば、データアナリストやマーケターが顧客の購買履歴やアクセスログから傾向を分析し、新しいサイト施策の検討をしたい場合、まずアナリティクスエンジニアは依頼者とコミュニケーションを取ってデータの定義をすり合わせます。その後使用するデータを選定し、SQLでデータを整備・整形してエクセルやBIツールで可視化します。その際、追加のデータ連携など開発が必要になった際は、データエンジニアに依頼をします。
要するに、アナリティクスエンジニアは二つの部署の懸け橋となる役割を持つ仕事です。データアナリストが何をしたいのか?業務背景の理解と、システム課題の両方を理解しているプロフェッショナルと言えます。
アナリティクスエンジニアの存在は、データ活用の効率化やビジネスの成果に直結する重要な要素となります。これからますますデータ活用がビジネスにおいて不可欠となる中、アナリティクスエンジニアの役割はますます重要性を増していくことでしょう。
アナリティクスエンジニアがいると何がいいの?
ポイント
- アナリストとエンジニア双方の業務ひっ迫を緩和できる
- コミュニケーションコストを削減できる
- 活用目的に合わせてデータ環境が整えられる
①アナリストとエンジニア双方の業務ひっ迫を緩和できる
アナリティクスエンジニアには、DWHやCDP内のデータ環境整備や活用目的に沿ったデータの抽出・可視化業務を任せることができます。
その結果、データアナリストは、ビジネスにデータをどう活用できるか?仮説を立てて分析の設計を行ったり、データから示唆を得る部分に労力を割くことができます。
そしてデータエンジニアは、DWHやCDPの環境保守や追加開発に労力を割くことができます。
データアナリストやデータエンジニアがデータ整備やデータ抽出・可視化まで対応していて、結果逼迫しまっているケースが多くありますが、
上記のような業務分担をすることでデータ活用のスピード感がぐっと上がります。
②コミュニケーションコストを削減できる
データアナリストやビジネス側の人材は、「既にあるデータから何かしよう」ではなく事業をより良くするために「こんなデータを見たい」と目的ベースで考えます。
一方でデータエンジニアは、データインフラ側のプロです。
見ているものが違うので、ビジネスサイドの依頼をそのまま受け止めるのではなく、目的をくみ取って対応することが難しくなります。
③活用目的に合わせてデータ環境が整えられる
データが膨大にある場合、すべてのデータを完璧に整備しようとするとかなりのコストがかかります。コストをかけて整備した結果、使われないデータも沢山あるかもしれません。
アナリティクスエンジニアは、ビジネスサイドと連携して活用したい目的に合わせて、必要な分だけデータを整えていきます。
目的ベースでデータが整えられると、ビジネスサイドもどこにどんなデータがあるのか分かりやすくなり、自分たちでも必要に応じてデータを扱えるようになります。
アナリティクスエンジニアがいないことによる問題
ここまでアナリティクスエンジニアが存在するメリットをお伝えしましたが、実際にデータアナリストやデータエンジニアが社内に存在しても、アナリティクスエンジニアというポジションが存在しないケースがまだまだ多くあります。
そのような企業のマーケターやアナリストの方々からこのような声を聴きます。
- マーケターが本来の業務もあるのに、自分で何とかSQLやBIを学びながら対応してるんです
- 情報システム部にデータを依頼しても、2~3週間かかるんです
- 情報システム部のAさんの頭の中にデータ関連の知識が集約されてしまっていて、自分たちでやろうにも対応できないんです
- 都度バラバラとデータテーブルが作られていて、ブラックボックス化しているんです
アナリティクスエンジニアが入ることで、ブラックボックス化したデータ環境を目的に合わせて整えたり、ビジネスサイドの要望に沿って迅速にデータを可視化することができます。
アナリティクスエンジニアはどう活躍する?
弊社でもアナリティクスエンジニアが活躍しています。2年前から採用・育成を始め、なんと今では14名のアナリティクスエンジニアが活躍しています。
育成ノウハウについては、こちらでホワイトペーパーを配布しています。データ人材の内製化をしたい方はぜひご覧ください!
弊社のアナリティクスエンジニアは普段、企業様の社員の一人のように常駐型でサービス提供をしています。そこで実際にどんな役割を担っているのか?具体例を紹介します。
例①データ活用を外部ベンダー依存してきたマーケティング部の専属アナリティクスエンジニア!
こちらの企業様では、DWHやCDPは導入しているもののデータ活用横断組織は存在せず、IT部にデータの依頼をしたり、外部ベンダーにダッシュボード構築の依頼をしていました。
しかし、IT部は様々な事業部からデータの依頼が来たり、そもそもDWHやCDPの開発・保守業務でひっ迫しています。
そのため、マーケティング部がデータ依頼をしても対応まで2~3週間かかっていました。
また、ダッシュボードの構築・保守は外部ベンダーに依存していたため、中身が不透明なダッシュボードが複数できており、裏側のデータマートも乱立している状態です。
これでは、データの定義や見た目の修正をしたくとも中身はベンダーにしかわかりません。
そこで弊社アナリティクスエンジニアが参画し、データ活用のハブとなりました。データ活用横断組織を発足する前に、まずはアナリティクスエンジニアがその役割を担ったのです。
マーケティング部や経営企画部からデータ依頼を受けながらも、DWHやCDP内のデータ整備を行ったりドキュメント作成を行いました。
外部ベンダーが作成した中身の不透明なダッシュボードを読み解いて、誰でも使えるよう整えることも行いました。その際必要に応じて、IT部と連携しながらデータの定義確認も行っています。
ポイントとしては、アナリティクスエンジニアに属人化させるのではなく、誰でも使えるようなデータを整えたり、ドキュメントを残していったことです。
例②DX推進室で各事業部の依頼を受けながら、データ環境整備!内製化を進めるための土台作り!
こちらの企業様では、既に部署横断のデータマネジメント部が存在していました。しかし、最近発足したばかりなので少数精鋭の2名体制。また、その2名も本来はもっと上流業務に携わりたく、ドキュメント管理等の業務に手が回っていません。
今後採用をしていきたいけれど、まだ新人を育成できる教育制度がもリソースもありませんでした。
そこで、データ活用目的を理解して可視化できるアナリティクスエンジニアがデータマネジメント部に参画しました。各部署とコミュニケーションを取りながらデータ活用を実施しながら、データを整備しドキュメントも作成していきました。
データスキルを持った人材は希少です。なかなかシニア人材を採用するのは難しく、採用してもジュニア層で自走は難しいかもしれません。
そもそも採用には非常にコストがかかるので、どんな人にどんな役割を担ってもらうのか?しっかり整備した上で採用をしたいところです。
そんな時に弊社アナリティクスエンジニアが支援することで、役割の明確化と内製の土台作りをしていきました。
アナリティクスエンジニア常駐支援サービス「DX-Accelerator」
上記事例でもご紹介しましたが、弊社はアナリティクスエンジニア常駐支援サービスを提供しています。
私たちは、日々のデータ業務のお手伝いというよりは、それをどうやって組織として仕組まで発展させられるかを重要視しています。
ブラックボックス化したDWHがあれば、データフローの上流までさかのぼって可視化、文書化をしますす。誰もロジックのわからないBIがあればデータマートまで遡って解明をして定義書を起こしたりもします。
ゆくゆくは内製したい場合にも、採用の前にまずは弊社サービスのご活用から初めていただき、リソースを十分に取りながらデータ人材の定義付けを完了させたうえで採用に乗り出すことをおすすめしています。
DX-Acceleratorのサービスについてもっと知りたい方はこちらの記事もご覧ください!
当事業はローンチから約2年(24年3月時点)ですが、これまでに様々な業界・業種のお客さまのお手伝いをさせていただいております。
少しでも興味を持ってくださったり、すでにご相談をしたいことがある方はお気軽にご相談ください。現在あなたの組織のフェーズがどこにあるかは関係ありません。まずはお話をしましょう。
もう少しサービスについて知りたい方はサービス紹介資料もご用意しています。