目次
この記事が解決できること
- データ分析を行う際の重要ポイントがわかる
- 仮説の設定と調査を行う手順が分かる
はじめに
前回の記事では、データ分析のファーストステップである「仮説の設定・調査分析の計画」について解説しました。
この記事をまだご覧になっていない方は、当記事を読む前に是非お読みください!
データ分析は、一足飛びにデータの集計を始めても、洞察を得ることができません。しっかりプロセスを踏んで進めていくことが重要です。
今回の記事では、「仮説の設定・調査分析の計画」について詳しく解説していきます。
データ分析の流れ
本題に入る前に、データ分析のステップを改めて振り返ってみましょう。
データ分析は闇雲に進めるのではなく、下記のPPDACサイクルを回して実行することがポイントです。
データ分析の流れ
- 問題の把握と明確化 – 分析の出発点となる問題を明確に定義します。
- 仮説の設定・調査分析の計画 – どこに疑問を持ち、どこについて論じるのか現在地を明確にします。
- データの収集と整理 – 分析に必要なデータを収集し、整理します。
- データに基づく分析 – 集めたデータに基づき、仮説を検証し新たな洞察を得ます。
- 分析結果の考察・結論 – 分析結果をもとに、問題の解決策を導き出します。
このサイクルを踏まえて、今回の記事ではテーマ「仮説の設定・調査分析の計画」について解説します。
仮説の設定・調査分析の計画の進め方
仮説があることで、見当違いな分析を避けることができます。仮説を明確に定めることが、分析において非常に重要となります。
仮説を設定する目的
仮説を設定するとは、どこに疑問を持ち、どこについて論じるべきなのか現在地を明確にするということです。
仮説を設定すると論点が明確になり、短時間で質の良い検証を行うことができます。
仮説の設定・調査分析の手順
- 定量的な評価指標の変動に影響を与える要因系の指標を考える。
- 必要なデータや資料は何かを考え、収集計画や調査計画を立てる。
- 仮説を検証するための分析の計画を立てる。
仮説の立て方
問題の要因を考えてみよう
仮に、「A店舗の売上が昨年と比較し減少した」という問題があるとします。
その問題に因果関係がある要素を洗い出してみましょう。
- 競合店が近隣にオープンして、客が流れた
- 商品の品質が低下してリピート客が減った
- 接客態度が悪化したためリピート客が減った
- 昨年より魅力的なキャンペーンが少なく、新規獲得が減った
仮説の優先順位付けをしよう
仮説を複数洗い出した後は、優先順位付けを行いましょう。
優先順位付けをする際には、下記を考慮しましょう。
- 調査に必要なデータは十分にあるか
- その要因がもたらす影響は大きいか
- 検証にコストがかからず、取り組みやすいか
調査計画を立てよう
例えば、今回の調査する仮説を「昨年より魅力的なキャンペーンが少なく、新規獲得が減った」とします。
その場合に、まずは調査すべき項目・指標を考えましょう。
- 昨年と比較して新規顧客数がどう変化しているか
- 昨年・今年のキャンペーン本数に違いはあるか
- 昨年・今年のキャンペーン別の集客数に違いはあるか
その後実際に調査をして仮説が合っているのかを確認します。
合っていた場合、さらに仮説を立てて深掘り分析をします。間違っていた場合は、また考え得る要因一覧に戻り、新たに仮説を検証していきましょう。
仮説を立てるヒント
仮説には「仮説構築」と「仮説検証」の流れがある
仮説は「仮説構築」と「仮説検証」に分けられます。
- 仮説構築 : 思考を発散させる。
- 仮説検証 : 筋の良い可能性に収束させる。
必ず、「仮説構築」→「仮説検証」の順で行います。
仮説構築の5つのポイント
1.定型文通りにする
仮説は2つの部分で構成されます。「〇〇ほど、××である」のような定型文で記載しましょう。
前半の「〇〇ほど」という主語に当たる部分と後半の「××である」という述語にあたる部分です。
■例
遠くに住んでいる高校生ほど、体力がある。
2.否定形にしない
否定文の仮説の対象は無限ですので対象はいつまで経っても仮説は証明できません。
■例
“地球上にツチノコはいる”という命題 →証明するためには実際にツチノコを見つければよい
“地球上にツチノコはいない”という命題 →証明することは難しい
3.ひらめきを大切にする
経験則や勘や直感から導き出されるアイディアも十分に大切です。
かっこいいことは考えずに、まずはあなたの脳みそを信じて仮説を作りましょう。
4.先行研究をヒントにする
まずは前例を探すこと。ひらめきを元にしながら、先人たちの分析結果をヒントにして、さらに新しい仮説の設定や新発見を目指してください。
5.たくさん仮説を作る
所詮、仮説です。仮の説なんです。仮の説を否定される機会はそうそうありません。
先行研究を調べて、100個くらい仮説を作った後で取捨選択すればいいのです。まずは、とにかく作りましょう。
まとめ
本記事では、データ分析プロセスの2ndステップである「仮説の設定・調査分析の計画」に焦点を当て、その進め方と重要性を詳しく解説しました。
まず最初に仮説設定がなければ、データを元にした洞察の得られる可能性は低くなります。”仮説を立てる(データ収集の目的を決める)”ことによって、無駄なデータ収集を避け、効率的かつ効果的に分析を進めることが可能になります。このプロセスを適切に管理することで、データから真の価値を引き出し、具体的な解決策へとつなげることができるのです。
次回の記事では、「データの収集と整理」について、さらに深掘りしていきます。お楽しみにお待ちください!
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