はじめに
DX-Accelerator(通称:DXA)では、アナリティクスエンジニア常駐サービスを通じて、日頃から多くの企業様のデータ活用に関するお悩みを解決しています。
この記事では、データ活用で困っている企業様との具体的な取り組み事例を通じて、どのようにして問題を解決しているのかを紹介しています。私たちが提供するサービスの内容とその効果について、事例を交えながら解説します。
DX-Acceleratorのサービスについてはこちらの記事をご覧ください。
事例の概要
企業の取り組み
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この企業はリユース業界で活動しており、実店舗とECサイトの両方で販売を行い、独自の会員制度と会員ロイヤリティプログラムを設けています。顧客データ、WEB行動データ、基幹システムの情報をCDP(顧客データプラットフォーム)に集約し、これらのデータを組み合わせた施策を展開しています。
しかし、データを扱う専門の人材が慢性的に不足しているため、データの整理や分析、活用に関するいくつかの問題が生じています。
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課題
CDPに集約されたデータをダッシュボードで可視化する作業や、施策に使う顧客リストを抽出するのに多くの時間がかかっていました。しかし既存で使用していたデータは扱いにくく、整備やドキュメント化を行い、誰が見ても理解しやすい形にする必要がありました。
三つの問題
上記課題をクリアするにあたり、三つの問題を考えなければいけませんでした。
1.データに関する情報
クライアントの使用しているデータに関する情報や定義は、情報システムの担当者が記憶している内容に依存しており、完全にブラックボックス状態となっていました。
2.データの加工
CDPには多くのデータが格納されていますが、データフローの再設計や扱いやすいデータマートを作成するための適切な知識を持つデータ人材が不足していました。
3.データの可視化
クライアントは明確な可視化を求めていますが、そのために必要なデータが揃っているかを確認する必要があります。また、データの定義が不明瞭で、クライアントの社内ですり合わせるのにも時間がかかると分かりました。
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DXAの取り組み
取り組み
1.データに関する情報
- 使用データの調査
既存のデータフローおよび各種データマートの詳細な調査を実施し、データの品質、整合性、アクセスの容易さに関する問題点を洗い出しました。特定された問題には、データの一貫性が欠けている部分やデータ抽出に要する時間の長さなどが含まれます。 - データフローの整備
主要なデータを処理プロセスごとにレイヤーに分けて整理し、誰が見ても理解しやすい形でのデータ整備を行いました。この整理されたデータ構造の上で、さらにデータの扱いやすさを向上させるために、適切なデータ作成とデータクレンジングのプロセスを実施しました。この取り組みにより、データの品質が向上し、分析やレポート作成が容易になりました。
2.データの加工
- データマートの作成
環境整備されたデータを活用し、分析の目的に合わせたデータマートを構築しました。これにより、必要な情報が迅速に取得でき、具体的な分析や意思決定がスムーズに行えるようになりました。 - ドキュメントの作成
新たに見直されたデータフローやデータマートの定義を全て文書化しました。これにより、これまで個人依存だったデータ管理を組織全体で共有しやすくし、誰もがデータを適切に扱えるようになりました。この取り組みは、データの整合性を保ちつつ、効率的なデータ活用を可能にしました。
3.データの可視化
- 必要なデータの精査
ダッシュボードの要件に必要なデータが全て揃っているかを調査しました。定義が不明な指標も同時にチェックし、「同じ指標でもレポート間で数値が異なる」という問題に対処しました。このプロセスは、クライアントの情報システム部とは独立して、分析担当者とDXAが直接対話しながら進められました。これにより、コミュニケーションコストを削減し、データの上流から効率的に一元管理することを目指しました。 - データの可視化
綺麗に整備されたデータフローとデータマートを活用して、既存のダッシュボードを再構築しました。この再構築により、より正確でリアルタイムなデータを基にしたインサイトが得られるようになりました。
効果
DXAとしての価値提供
- 属人的なデータ管理から脱却できた
これまでクライアントの情報システム部が主に記憶に頼って行っていたデータ管理を、組織全体で共有できる形に変更しました。CDP内のデータ環境を完全に文書化し、「ドキュメントがあれば誰でもデータを把握できる」という状態を実現しました。これにより、データアクセスと管理の透明性が向上し、組織全体でのデータ活用がスムーズになりました。 - データ定義の統一されたダッシュボードを作成できた
「同じ指標のはずなのに、A部門とB部門のダッシュボードで数値が異なる」という問題を解決しました。この成功は、DXAがデータ環境の整備から可視化までを一括で担当したことにより実現しました。データの定義を統一し、全部門で共通のデータソースを使用することで、一貫性のある情報表示を確保することができました。 - データ出しまでのスピードが圧倒的に速くなった
これまでは特定のデータを取り出すのに1週間の工数がかかっていましたが、汎用性と透明性の高いデータ設計を導入したことで、要望に応じて当日中にデータを提供できるようになりました。この新しいデータ設計により、迅速かつ効率的に情報を取り扱うことが可能になり、ビジネスプロセスの速度と精度が向上しました。
クライアント企業からの声
データの可視化や施策の実行がスピーディに進行できるようになったとのフィードバックをいただいています。さらに、複雑なディメンションや指標でも、以前に比べて定義の決定から可視化までのプロセスが簡単になったとの評価も受けています。
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今後の展望
整形されたデータを社内関係者にナレッジ共有することで、どのような指標やディメンションが存在するかを明確にします。これにより、データに詳しくない方でも、興味を持ってデータを探求したくなるような環境を作り出すことができます。
また、情報システム部やマーケティング担当者の業務をサポートするために、顧客リストの作成からさらに一歩進んで、メール施策を実際に発信するために必要なデータをツールに埋め込む作業を行います。このように業務の干渉領域を拡大し、データの可視化から施策の一気通貫実行までの支援を通じて、効率的なデータ活用を促進することが目標です。
データ活用でお困りの方へ
私たちDX-Accelerator事業では、データ活用についての様々なスキルを持った人材が常駐でデータ活用支援を行うサービスを提供しています。
当事業はローンチから約3年(24年9月時点)ですが、これまでに様々な業界・業種のお客さまのお手伝いをさせていただいております。
少しでも興味を持ってくださったり、すでにご相談をしたいことがある方はお気軽にご相談ください。現在あなたの組織のフェーズがどこにあるかは関係ありません。まずはお話をしましょう。
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