目次
この記事が解決できること
- 広告運用における基本指標と効果測定に役立つ指標がわかる
- 指標の分析結果を活用した運用改善の考え方がわかる
- 指標ごとのよくある課題に対する改善策を知ることができる
はじめに
オンライン広告の運用で成果をあげるためには、広告を出すだけではなく、指標の分析と改善が欠かせません。成果を評価するための指標には、インプレッション数やクリック率・コンバージョン率などがあり、正しく活用することで、よりターゲットユーザーに適した広告運用が可能になります。
この記事では、オンライン広告運用において見るべき指標の一覧を説明し、分析結果を活用した運用改善の考え方をわかりやすく紹介します。
オンライン広告運用で見るべき指標一覧
オンライン広告の運用を成功させるには、適切な指標を把握し、それをもとに戦略を立てることが重要です。しかし、広告の成果を評価するための指標は多岐にわたるため、どれを重視すべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
ここからは、オンライン広告運用で押さえておきたい指標を、基本指標と効果測定に役立つ指標に分けて説明していきます。前者は広告のパフォーマンスを測るうえで欠かせないデータ、後者は広告費用対効果を分析し、成果をあげるために大切なポイントです。
広告運用における基本指標
さまざまな指標のチェックが必要になるオンライン広告の運用ですが、すべてのデータを無計画に追いかけても、効果的な改善にはつながりません。まずは、広告のパフォーマンスを正しく評価するために重要な指標を押さえましょう。
ここでは、広告運用の成果を適切に評価するために欠かせない7つの基本指標を説明します。
広告運用における7つ基本指標
- インプレッション数(Imp)
- インプレッション単価(CPM)
- リーチ数
- フリークエンシー
- クリック率(CTR)
- クリック単価(CPC)
- コンバージョン率(CVR)
1.インプレッション数(Imp)
インプレッション数(Imp)とは、広告がユーザーの画面に表示された回数を示す指標です。クリックやコンバージョンの有無に関わらず、広告が1度でも表示されるたびにカウントされます。
この数値が多いほど、多くのユーザーに広告が届いていることを意味しますが、必ずしも広告の成果につながるとは限りません。インプレッション数が多くても、クリックやコンバージョンが少なければ、広告の内容やターゲット設定を見直す必要があります。
2.インプレッション単価(CPM)
インプレッション単価(CPM)とは、広告が1,000回表示されるごとに発生する費用を示す指標です。「Cost Per Mille」の略で、主にディスプレイ広告や動画広告などで活用されます。
インプレッション単価が低いほど、同じ広告予算でより多くのユーザーにリーチできるため、ブランドの認知度向上を目的とするキャンペーンに適しています。また、クリック率の高い広告であれば、クリック単価を下げることにもつながるため、適切なターゲティングやクリエイティブの工夫が大切です。
3.リーチ数
リーチ数とは、広告を1回以上見たユーザーの数を示す指標です。同じユーザーが何度広告を表示しても、リーチ数としては1回しかカウントされないため、どれだけ多くのユニークなユーザーに届いているのかを把握するのに役立ちます。
しかし、リーチを増やすだけでは広告の成果はあがりません。ターゲット設定や広告クリエイティブの工夫をしながら、他の指標と組み合わせて分析し、効果的な運用を目指しましょう。
4.フリークエンシー
フリークエンシーとは、1人のユーザーが広告を見た平均回数を示す指標です。リーチ数が広告を見たユニークユーザー数を示すのに対し、フリークエンシーは同じユーザーに対して何回広告が表示されたかを測る指標で、計算式は「インプレッション数 ÷ リーチ数」で求められます。
フリークエンシーが適切な範囲であれば、広告の認知度向上に効果的ですが、高すぎると同じユーザーに広告が何度も表示されるため、逆効果になることもあります。特に、興味のないユーザーに何度も表示されると広告疲れを引き起こし、クリック率の低下につながるため注意しましょう。
5.クリック率(CTR)
クリック率(Click Through Rate, CTR)とは、広告が表示された回数に対して、実際にクリックされた割合を示す指標です。計算式は「クリック数 ÷ インプレッション数 × 100」で求められます。
クリック率が高いほど、広告がユーザーの関心を引き、クリックされていることを意味します。リスティング広告やディスプレイ広告では、クリック率の数値が広告の効果を判断する重要な要素です。
6.クリック単価(CPC)
クリック単価(Cost Per Click, CPC)とは、1回のクリックにかかる広告費を示す指標です。リスティング広告やSNS広告など、多くのオンライン広告で採用されている課金方式のひとつで、計算式は「広告費 ÷ クリック数」で求められます。
クリック単価が低いほど、同じ広告予算でより多くのクリックを獲得できるため、コスト効率のよい運用が可能になります。しかし、クリック単価を下げることだけを意識すると、ターゲットユーザーに届かなくなるリスクもあるため、コンバージョン率や広告費用対効果と組み合わせて分析を行いましょう。
7.コンバージョン率(CVR)
コンバージョン率(Conversion Rate, CVR)とは、広告をクリックしたユーザーのうち、実際に成果(購入・問い合わせ・資料請求など)につながった割合を示す指標です。計算式は「コンバージョン数 ÷ クリック数 × 100」で求められます。
この数値が高いほど、広告を通じて目的のアクションを達成できていることを意味します。コンバージョン率が低い場合は、ランディングページの内容やフォームの使いやすさを見直し、数値を向上させることで、広告の費用対効果の改善が期待できるはずです。
広告運用の効果測定に役立つ指標
オンライン広告は、ただクリック数や表示回数を増やすだけではビジネスの成果には直結しません。投資した広告費に対して利益を生み出す必要があるため、効果測定の指標を活用できれば、より費用対効果の高い広告運用が可能になります。
ここでは、広告の収益性や長期的な価値を評価するために欠かせない4つの指標について見ていきましょう。
広告運用の効果測定に役立つ4つの指標
- 顧客獲得単価(CPA)
- 広告費用対効果(ROAS)
- 投資収益率(ROI)
- 顧客生涯価値(LTV)
1.顧客獲得単価(CPA)
顧客獲得単価(Cost Per Acquisition, CPA)とは、1件のコンバージョンを獲得するためにかかった広告費を示す指標です。計算式は「広告費 ÷ コンバージョン数」です。
顧客獲得単価が低いほど、少ない広告費で成果を得られていることを意味します。広告運用ではこの数値が重要ですが、下げることだけに注力すると長期的な成果につながらない場合もあるため、クリック単価やコンバージョン率と併せて分析することが効果的です。
2.広告費用対効果(ROAS)
広告費用対効果(Return On Advertising Spend, ROAS)とは、投じた広告費に対してどれだけの売上を生み出したかを示す指標です。計算式は「売上 ÷ 広告費 × 100」で求められ、数値が高いほど広告の費用対効果が良いことを意味します。
広告費用対効果は、広告の成果を判断するうえで有用ですが、単に数値が高ければよいわけではありません。利益率や顧客獲得単価とのバランスも考慮しながら、長期的な顧客の価値も考えた広告戦略を立てることで、より持続可能な成長につながります。
3.投資収益率(ROI)
投資収益率(Return On Investment, ROI)とは、広告を含む投資全体に対して、どれだけの利益を得られたかを示す指標です。計算式は「(売上 – 投資額)÷ 投資額 × 100」で求められ、広告費だけでなく、人件費や運営コストを含めた利益率を測るのに役立ちます。
投資収益率が高いほど、少ない投資で多くの利益を生み出せていることを意味します。しかし、短期的な投資収益率だけを追求すると、顧客獲得の機会を逃すこともあるため、長期的な視点で戦略を立てることが重要です。
4.顧客生涯価値(LTV)
顧客生涯価値(Lifetime Value, LTV)とは、1人の顧客が取引を開始してから終了するまでの期間に、企業にもたらす総利益を示す指標です。計算式は「平均購入単価 × 購入頻度 × 継続期間」で求められ、長期的な視点で広告の効果を測るうえで重要な指標となります。
生涯価値が高い顧客を獲得できれば、広告費を多少かけても、最終的な利益が大きくなります。そのため、短期的な売上だけでなく、リピーター獲得やブランドロイヤルティ向上を意識した広告運用を心がけましょう。
運用成果をあげる効果的な分析方法とは?
広告運用において、適切な指標を把握することは大切ですが、それで終わりではありません。継続的に運用成果をあげるためには、分析で得られたデータをもとに課題を特定し、適切な対策を講じることが必要です。
本章では、広告運用の指標を正しく分析し、運用改善につなげるための考え方と、具体的な課題に対する改善例を紹介します。
分析結果を活用した運用改善の考え方
運用改善につなげる分析の基本は、「数値を確認 → 課題を特定 → 改善策を実行 → 再評価」というPCDAサイクルを回すことです。まず、広告の目的やKPIを明確に設定し、それに基づいた指標のモニタリングから得られたデータを分析して課題を特定します。
分析には、ロジックツリーを活用すると指標間の関係を視覚化できるため、課題の原因を調べやすく、効果的な運用改善が可能です。このように、分析結果をもとに仮説を立て、検証と改善を繰り返すことで、広告運用のパフォーマンス向上につなげることができます。
広告の目的(KGI)やKPIの設定方法について気になった方は、こちらの記事をご覧ください。
指標ごとのよくある課題に対する改善策
広告運用において、指標の数値が思うように伸びないことはよくあります。しかし、数値を見て一喜一憂するのではなく、どの指標に課題があるのかを正しく把握し、該当指標に合った改善策を実施しましょう。以下の表に、指標ごとのよくある課題と改善策をまとめました。
指標 | 課題 | 改善策 |
---|---|---|
インプレッション数 | 広告の表示回数が少なく、 リーチが不足している | ・ターゲティングの見直し ・予算の増額 |
クリック率 | 広告が表示されても クリックされない | ・広告文やデザインの最適化 ・ターゲットの絞り込み |
コンバージョン率 | サイト訪問者が 目的の行動を取らない | ・LPの改善 ・広告とページの関連性向上 |
顧客獲得単価 | 広告費用対効果が低く、 1件の獲得コストが高い | ・クリック単価の引き下げ ・コンバージョン率の向上 |
広告費用対効果 | 投資に対する収益が低く、 広告費の回収が難しい | ・高収益商品への注力 ・効果の高い広告に予算を集中 |
この表にある課題が発生している場合は、ぜひ改善策を参考にしてみてください。
まとめ
オンライン広告運用において成果をあげるためには、適切な指標を理解し、それをもとに分析と改善を行うことが欠かせません。インプレッション数やクリック率・コンバージョン率は、広告のパフォーマンスを測るうえでの重要なデータであり、広告費用対効果や投資収益率を活用すれば、より費用対効果の高い広告運用が可能になります。
また、指標を確認するだけでなく、得られたデータを活用して課題を特定し、適切な改善策を講じることが重要です。この記事で紹介した運用改善の考え方を参考にしながら、自社の広告指標を見直し、より効果的な広告運用を目指しましょう。
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