目次
この記事が解決できること
- データ分析を始める際に、まずすべきことがわかる
- 問題の把握と明確化を行う手順が分かる
はじめに
前回の記事では、データ分析とデータ集計の根本的な違いと、データ分析を成功させるためのプロセスについて解説しました。
データ分析は一足飛びにデータの集計を始めても、洞察を得ることができません。しっかりプロセスを踏んで進めていくことが重要です。
今回の記事では、そのプロセスの一番始めとなる「問題の把握と明確化」について詳しく解説していきます。
データ分析の流れ
本題に入る前に、前回の記事でお伝えしたデータ分析のステップを改めて振り返ってみましょう。
データ分析は闇雲に進めるのではなく、下記のPPDACサイクルを回して実行することがポイントです。
データ分析の流れ
- 問題の把握と明確化 – 分析の出発点となる問題を明確に定義します。
- 仮説の設定・調査分析の計画 – どこに疑問を持ち、どこについて論じるのか現在地を明確にします。
- データの収集と整理 – 分析に必要なデータを収集し、整理します。
- データに基づく分析 – 集めたデータに基づき、仮説を検証し新たな洞察を得ます。
- 分析結果の考察・結論 – 分析結果をもとに、問題の解決策を導き出します。
このサイクルを踏まえて、今回の記事ではテーマ「問題の把握と明確化」について解説します。
問題把握と明確化の進め方
問題の把握と明確化は必要不可欠なステップで、全てのデータ分析作業の出発点です。
まず理想と現実の状態とのギャップをとらえるところから始めます。理想と現実を明確に把握することで、おのずと問題の明確化が図られます。
問題把握の手順
- テーマを設定し、クリアすべき「課題」を考える。
- 課題から問題の構造(原因系と結果系の現象)を明確にする。
- 具体的で定量的な数値「評価指標」を設定する。
問題把握は「理想」と「現実」の把握から
とはいえ、問題や課題を最初から正確に把握できるわけではありません。
問題を把握するためには「理想」と「現実」をしっかりと明文化し、その間にある溝にある問題を可視化することが重要です。
ポイント
- 問題は、理想(目指すべきところ)と現実のギャップの間に存在する。
- そのためには、理想と現実の双方を明確にすることが大事。
As Is / To Be
理想 / 現実のことを、マーケティング用語でAs Is / To Beと呼ぶことがあります。
「As Is」 とは 「現在の状態」を指す
「As Is」とは、現実の状態を表す言葉です。正しい現状把握のために重要な考え方で、現実の数値や事実に基づいた収集によって得られることができます。
状態を表す指標は考察対象によって異なります。売上、コスト、納期、人数などの定量的な指標から、働きやすさ、風土、メンバーの気持ちなどの定性指標まで設定可能です。
「To Be」とは「理想の状態」を指す
一方、「To Be」は理想の姿やあるべき姿のことを指します。考える対象のテーマを明らかにしギャップの明確にするためにも、指標は「As Is」と揃えることが推奨されます。
また「To Be」は未来・将来という要素を含んでいますが、「どれだけ先か」は自由に設定可能です。
「個人の月間目標」なら「1ヶ月後」、「経営5年計画」であれば「5年後」など、立てたい計画や戦略のスパンに合わせて設定します。
まとめ
本記事では、データ分析の初期段階である「問題の把握と明確化」に焦点を当て、その重要性と具体的な進め方を解説しました。
理想と現実のギャップを明確にすることで問題を具体化することは良いデータ分析の出発点です。
正しい課題提起があることで初めて、データ収集から分析、結論の導出までのプロセスを効率的に進めることができます。
このアプローチを取り入れることで、データ分析の精度を高め、実際のビジネスで直面する問題に対してより適切な解決策を見出すことができます。
データ分析の次のステップ「仮説の設定・調査分析の計画」についても、記事を更新いたします。お楽しみにお待ちください。
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