目次
この記事が解決できること
- ダッシュボード作成の手順がわかる
- ダッシュボード作成の各フェーズでやるべきことがわかる
- ダッシュボード作成において抑えるべきポイントがわかる
はじめに
努力して作ったダッシュボード。見た目はすごいけど結局全然使われない・・・ そんなことはありませんか? 使われないダッシュボードは、下記いずれかの特徴に当てはまることが多いです。
使われないダッシュボードの特徴
- 目的に対し、必要十分な情報になっていない。(多すぎる、少なすぎる)
- データの定義が曖昧で、正しいデータなのかわからない。
- 仕様が複雑で非エンジニア、非アナリストが使いづらい。
- 修正が必要になった時、対応できる人がいない。
前回の記事ではまず構築を始める前に行うべき「要件定義」について説明しました。まだ読まれていない方は本記事を読む前に必ず目を通してください!
今回は、要件定義が終わった後実際に作業をする「構築」についてフェーズを分解し、各フェーズにおいて抑えるべきポイントを詳しく説明していきます。
あわせて、すぐに使っていただけるダッシュボード作成手順におけるチェックリストを配布しています。どうぞ最後までお読みください。
ダッシュボード作成の手順
まずダッシュボード作成には6つのフェーズがあります
前半の「要件定義編」では前回の記事で紹介したので、今回は「構築編」について説明していきます。
後ほど各フェーズごとにやるべきこと、抑えるべきポイントを詳しく説明していきますが、ここではまず各フェーズでどんなことを行うのか?要約してお伝えします。
フェーズ4「構築」
ここでようやく実作業です!フェーズ1~3で行った定義付けを元に、ダッシュボード画面を構築します。
- DQHでSQLを用いデータマートを作成する。
- BIツールにデータ接続し、可視化をする。
この章について早速詳しく読みたい方はこちら。
フェーズ5「修正」
ダッシュボードは作って終わりではありません!
どれだけ定義付けをしっかり行っていても、実際に運用してみると修正すべき点はたくさん出てきます。
- 数値定義の変更に伴うデータマートの修正
- ダッシュボードのデザイン変更
必ず「修正」工程も加味した上で、ダッシュボードのスケジュールを立ててください。
この章について早速詳しく読みたい方はこちら。
フェーズ6「自動化」
そのダッシュボードはどれくらいの頻度で利用されますか?フェーズ5までは自動化せず、手動でデータ連携を行います。 一通り運用して修正した後に、ようやく自動更新の設定をします。
ここまで完了してダッシュボードは一旦完成です。 しかし、ダッシュボードは使われるうちに修正が出てくるものです。 作成後も数か月に一回はダッシュボードの見直しを想定した方がよいでしょう。
この章について早速詳しく読みたい方はこちら。
フェーズ4「構築」でやるべきこと
ポイント
- 正しいかつコスト消費の少ないデータを作る
- 使いやすいダッシュボードを作る
フェーズ4「構築」では2つのポイントがあります。
取り組み項目 | やるべきこと | ポイント |
---|---|---|
データマートの作成 | DWHでSQLを用いてデータマート作成を行う | ・集計ロジックは正しいか ・数字は1桁まであっているか ・クエリの効率は問題ないか(実行速度・処理バイト・再利用性・メンテナンス性) ・テーブルを組合せる場合の依存関係は問題ないか(正しく更新がおこるか) |
BIツールでの可視化 | 作成したデータマートをBIツールに接続し、ダッシュボードの構築を行う | ・グラフの選択は適切か(離散値・連続値) ・可視化した数字とDWHで集計した数字はあっているか ・ファイルの重さ ・適切ななデータ単位か(BIツールに必要以上に集計不可をかけていないか) ・計算フィールドの名前やメンテナンス性 |
①正しいかつコスト消費の少ないデータを作る
■やるべきこと
DWHでSQLを用いてデータマート作成を行う
■ポイント
・集計ロジックは正しいか
・数字は1桁まであっているか
・クエリの効率は問題ないか(実行速度・処理バイト・再利用性・メンテナンス性)
・テーブルを組合せる場合の依存関係は問題ないか(正しく更新がされるか)
フェーズ2で定義した要件をもとに、SQLを用いてデータマート作成を行います。この時、正しいロジックで集計できているか?検算を必ず行いながらデータマート作成をしましょう。正しいロジックで集計されていないと、見ても意味のないダッシュボードになります。
すべてを精密に行うのは難しくても、ダッシュボードを見て意思決定をするために悪影響を及ばす要素はないか?意識しながらデータマート作成を行いましょう。
<よくあるデータマート作成時のミス事例>
・キャンセル済みの注文も売上としてカウントされている
・極端に購買金額が大きい顧客のデータに全体の数値が引っ張られている
②使いやすいダッシュボードを作る
■やるべきこと
作成したデータマートをBIツールに接続し、ダッシュボードの構築を行う
■ポイント
・グラフの選択は適切か(離散値・連続値)
・可視化した数字とDWHで集計した数字はあっているか
・ファイルの重さ
・適切ななデータ単位か(BIツールに必要以上に集計不可をかけていないか)
・計算フィールドの名前やメンテナンス性
フェーズ3で定義したUI要件をもとに、実際にBIツールにデータ接続をしてダッシュボードを構築します。常に利用者目線に立って可視化を行いましょう。
また、構築者にしか構築内容がわからないダッシュボード作りはNGです。ダッシュボードは使っていくうちに修正点が出てくるため、構築者以外でも修正できるようデータ名やメンテナンス性を意識しましょう。
フェーズ5「修正」でやるべきこと
ポイント
- 実際に使用してみて使用感を確認
- 修正要望を集めて、データマートやBIに反映
フェーズ5「修正」では2つのポイントがあります。
取り組み項目 | やるべきこと | ポイント |
---|---|---|
使用感の確認と 修正箇所の洗出し | 実際にダッシュボードを使う人が使ってみて、使用感はどうか?修正したい点はないか確認 | ・操作でわからない部分がないか確認 ・操作はわかるが、使いづらいと感じる部分はないか確認 ・肌感と可視化した数値に乖離がないか確認 |
再調整 | 修正要望に基づき、必要に応じてデータマートやダッシュボードの修正 | ・修正要望に対して適切な数値、表現になっているか ・修正する予定がない部分に影響を及ぼしていないか |
①実際に使用してみて使用感を確認
■やるべきこと
実際にダッシュボードを使う人が使ってみて、使用感はどうか?修正したい点はないか確認
■ポイント
・操作でわからない部分がないか確認
・操作はわかるが、使いづらいと感じる部分はないか確認
・肌感と可視化した数値に乖離がないか確認
実際に、作成したダッシュボードを使用者が実際に必要な場面で使用してもらいましょう。非エンジニア、非アナリストが使用すると使いやすい/使いづらいと感じてる点が異なる場合があります。その中で修正が必要な点はすべて情報を集めましょう。ここで感じた違和感を放置してしまうと、ゆくゆく使われないダッシュボードとなってしまう可能性があります。
<例>
・フィルターがどのデータ項目にかかっているのかわかりづらい
・すぐに見たいデータが複数の操作を行わないと見れない
・現場の肌感と売上数値が合わない
②修正要望を集めて、データマートやBIに反映
■やるべきこと
修正要望に基づき、必要に応じてデータマートやダッシュボードの修正
■ポイント
・修正要望に対して適切な数値、表現になっているか
・修正する予定がない部分に影響を及ぼしていないか
実際に修正反映を行う際に、修正する予定がない部分に影響を及ぼしていないか?よく気を付けましょう。詳細なポイントはフェーズ4と同じです。きちんと立ち返って、検算やダブルチェックを怠らないことが非常に重要です。
フェーズ6「更新の自動化」でやるべきこと
ポイント
- 更新時、人の手が必要ないダッシュボードにする
フェーズ6「更新の自動化」のポイントは1つです。
取り組み項目 | やるべきこと | ポイント |
---|---|---|
SQLクエリの自動実行 | 人の手が無くても、最新のデータがダッシュボードで見られるように、SQLの設定を行う | ・更新頻度は適切か ・結合したテーブルとの依存関係は考慮されているか(クエリ実行時間等) |
更新時、人の手が必要ないダッシュボードにする
■やるべきこと
人の手が無くても、最新のデータがダッシュボードで見られるように、SQLの設定を行う
■ポイント
・更新頻度は適切か
・結合したテーブルとの依存関係は考慮されているか(クエリ実行時間等)
必ず使用者に「どのくらいの頻度でダッシュボードを使うのか」確認した上で設定を行いましょう。例えば、毎週月曜日の経営会議にて確認する数値であれば、その前日までに最新の状態になるよう設定する必要があります。また頻度についても、週に1回しか見ないものを毎日更新してしまうとクエリコストがかかりすぎます。
このように、最適な頻度とタイミングを使用者とすり合わせる必要があります。また、設定後は問題なく自動設定が行われているか、検証を怠らないことが大事です。
すぐに使える!ダッシュボード作成のチェックリスト
各フェーズにおけるポイントをチェックリスト形式でまとめたExcelファイルを配布しております。 詳しい入手方法については下記よりご確認ください。
まとめ
ダッシュボード作成の手順と後半の「構築編」において抑えるべきポイントを説明いたしました。「構築編」では「要件定義編」で定義した通りに作業を行いつつ、常にリスクはないかアンテナを張って、検証を怠らないことが大事です。
こちら記事では、ダッシュボード実例と共に作り方のポイントを解説しています!ぜひご覧ください!
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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