目次
はじめに
前回の記事でデータ利活用を促進するために必要なのは「データ活用の仕組み化」であるというお話をしました。
少し概念的な内容だったので、イメージしづらいところもあったかと思います。
今回は、この記事を読んでいるみなさんが自分たちの企業に落とし込んでイメージできるように、具体的な事例を踏まえてお話します。
取り扱うのは、仕組み化の中でも「ナレッジ作成編」です。
この記事が解決できること
- データ活用の仕組み化の一つである「ナレッジ作成」の重要性がわかる
- 具体的な事例を知ることができる
仕組み化;ナレッジ作成編
ナレッジは企業全体の共有資産
ナレッジシェアは、データ活用に限らずどのような業務においても重要な役割を持ちます。
組織全体で成長し続け競争力を高めていくためにも、業務や作業の属人化から脱却し、部署を横断した知識の共有によってシナジー効果を生む組織作りを目指している企業は多くあります。
特にデータ活用にスコープを絞ってみると、ナレッジの役割は下記のようなものがあげられます。
- 社内全体のデータリテラシーが向上することで、データという共通指標を見て意思決定ができる
- 過去の知見を周知することで、同じような問題が起こったときの対応をスムーズにする
- 社内でのデータ処理フローや役割を明文化することで、ブラックボックス化を防ぐ
データ活用に向けた組織立ち上げフェーズでは、一部の担当者の間だけで共通認識がとられていてもさほど問題はありません。しかしデータ活用の文化を組織全体に浸透させるにあたっては、社内の一部の人だけがデータを使えればよいという考えは推奨されません。
企業全体で普段からデータにアクセスし、意思決定の判断材料や、仮説検証のためのひとつのツールとして使用していく文化を醸造していくことが重要です。そのためにはデータのナレッジ、つまり知識の共有が必要になってくるのです。
「データ活用の仕組み化」の事例紹介
ここからは私たちが実際に支援した企業の具体事例をお伝えします。
組織の抱える課題
抱えていた課題の最たるものは、知識の偏在化です。
組織としてDXを推進することが決定したものの、データパイプラインやセキュリティ、現行のExcel帳票に関する理解など、データ活用に関する理解をしている人がバラバラに存在していました。
企業の中でよく起こりがちな「あの人だけが知っている」が常態化していたのです。
その結果、特定の人物にデータ活用に関する業務や質問が殺到し、順番待ち状態に。上からはデータ活用の推進を命じられてはいるが、結局分からないことだらけでなにも進まない、という状況でした。
DXA導入の決め手
DXA導入の決め手は、データに対する理解がある人材が自社の中で業務をするという点です。
上記のように特定の部署や人物に知識が偏在している状態をなんとか脱却するために、各担当者と適切なコミュニケーションをとり、吸い上げたナレッジをドキュメント化したり、作成したデータマートやダッシュボードの使い方についてのレクチャーをしてくれるパートナーをまさに探していたところでした。
導入の結果
DXAが入ってからまず行ったことは、データ活用の実情を整理することです。
具体的には、
・データパイプラインはどうなっているのか?
・使用しているデータマートやダッシュボードの作成背景はなんなのか?
・その企業独自のデータの癖や、ビジネスモデルならではのデータパターンはあるか?
など、その内容は多岐にわたります。
様々な方面から企業や組織の業務・現状を把握した上で、全社のデータ利用状況の整理を行いました。
DXAのナレッジ作成・シェア活動
状況の整理ができたら、次はナレッジとして発信できる形に落とし込んでいきます。
- 管理者や作業者などの権限レベルに合わせて、理解が必要なツール操作やセキュリティに関する情報をドキュメント化する
- ヒアリングを元にデータパイプラインを整理し、誰もがパッと見て理解できるよう図式化する
- ビジネスモデルに基づいたデータの特性を把握し、最適なデータパターンの条件分岐を設計・実装
その結果、特定の部署の担当者にヒアリングする前に、マーケターやアナリスト、各事業部の担当者が手元の資料を見ながら作業に着手できるようになりました。さらに、定義書などの共通資料を使うことで、ミーティングや打合せでは誰もが共通認識を持ちながらコミュニケーションをとることができるように。
現在は、ナレッジのさらに充足させながら社員それぞれのデータ活用に対する意識を高めながら事業を推進することを目指していらっしゃいます。
まとめ
ナレッジ作成は企業内のデータ活用を加速させる
ナレッジ作成とシェアは、組織内のデータ活用文化を作っていくための重要な仕事です。
企業の中でいつでも誰でもデータを扱うことのできる組織を目指すためには必要不可欠です。
まさに今、このような課題を抱えているという方はぜひ一度ご相談ください。
当事業では、アナリティクスエンジニアが常駐しながらデータ活用のサポートをするサービスの提供をしています。
SQLやBIが得意なデータのプロが、あなたの社員の一員としてチームにジョインすることで、データ活用の仕組化を支援します。
困ったときはお問い合わせください
当事業はローンチから約2年(24年2月時点)ですが、これまでに様々な業界・業種のお客さまのお手伝いをさせていただいております。
少しでも興味を持ってくださったり、すでにご相談をしたいことがある方はお気軽にご相談ください。現在あなたの組織のフェーズがどこにあるかは関係ありません。まずはお話をしましょう。
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