【GA4】初心者でもわかる基本指標の見方 3選

【GA4】初心者でもわかる基本指標の見方 3選

更新日:2024/01/09

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE
  • COPY LINK
クリップボードにコピーしました

この記事が解決できること

  1. GA4計測の考え方がわかる
  2. ECサイト分析のために最初に抑えたらいい指標がわかる

はじめに

「GA4を入れたけど何から見たらいいかわからない…」
「GA4が計測したデータを簡単にパパっと見る方法はないか?」

そういったお悩みはないでしょうか。この記事では、EC担当者がGoogle Analytics 4(GA4)を導入したら最初に確認をしたい指標や、初心者でもすぐにでも始めることのできる基本指標の見方についてご紹介します。

GA4の第一歩 指標理解の前に

Point

  1. 目的を明確にする
  2. 新しくなった計測の考え方を理解する

①目的を明確にする

ひとえにECサイト分析といっても、目的は定まっておりますでしょうか。そして、その目的達成のためにはどんなことを改善したら良いかまで明確になっていますでしょうか。初心者の方で「GA4を入れたはいいが何から見たらいいんだっけ…」というお話はよく伺います。例えばサイト一つ取っても、コーポレートサイト・オウンドメディア・サービス・EC…といった分類が可能です。

これらのサイトの目的は、

「企業情報を提供して信頼性を高めたい」
「サービスを提供したい」
「物を売りたい」
「読者(ファン)を増やしたい」

と三者三様です。

このブログのタイトルを見て訪問してくださった読者様においては”ECサイトの改善”が目的の方が多いかと思いますので、こちらではECサイトを主軸に目的を明確化していきます。

例えばあなたが普段お買い物する場面を想像してください。今日の夕飯を買いにスーパーを訪れたらまずどんな行動を取るでしょうか。食べたいものが決まっている方は目当てのコーナーまで行って今日の食材を選ぶでしょうし、献立が決まっていない方は今日の特売品から食べたいものを逆算して決めていくかもしれません。商品を選んでいる途中、特設コーナーで新商品のお菓子がデカデカと紹介されていれば、じっくりパッケージを眺めてからカゴに入れるかもしれませんし、逆に一旦カゴに入れてから棚に戻すかもしれません。

こうして
①お店を歩く
②商品を見る
③カゴに入れる(戻す)

をしながら最終的にはレジに向かってお会計をします。

これはECでも全く同じことが言えます。

店舗でお店を歩くことはサイト内回遊に相当しますし、商品を見る行為は商品それぞれの個別ページを閲覧することになります。そしてカゴに入れてお会計することは言わずもがなです。
GA4を含むアナリティクスツールの素晴らしい点は、これら一つ一つの行動に対して定量の実績が残っていくことです。
ある一人のお客様が
・どこから来て?
・どんな商品を?
・どれくらいの時間?
・何回閲覧して購入に至ったか?
を事細かに調べ上げることができます。

よくある分析として、優良会員(購入実績が高いユーザー)の行動を分析して、そうでない会員の行動を近づけていく施策が行われますが、これはアナリティクスツールのように詳細なデータが取れるからこそと言えます。なのでECサイトの分析においては、リアル店舗にもあるような購買データに加えて、”GA4だからこそ取れるデータ”がサイト分析の基本指標に数多く登場します。
なので、むやみやたらに指標を出して並べていくのではなく、「何のためにECを分析をして、そのためにはユーザー行動の何を改善したいらいいか?」を明確にすることがEC分析初心者の第一歩となります。

②新しくなった計測の考え方を理解する

もう一点、可能であれば理解しておきたいことがあります。それは”GA4の計測の考え方”です。とても端的に申し上げると、GA4は”ユーザー1人1人にフォーカスを当てた分析・施策を行えるツール”ということです。
こちらの理解のためにはGA4の先代のツール(UA)との比較を交えて紹介します。「サイト分析はGA4が初めて」という方にとっては逆に読み飛ばしていただいても構いません。

GA4先代のツール(UA)との違いについて

GA4の先代のツール(UA)との比較を交えてご説明をします。

例えばユーザーがECサイトのトップページに訪問。そのあと商品Aのページに遷移して購入カートに商品を追加。そのままお会計ページに遷移して商品を購入したとします。

GA4の先代のツール(UA)では、サイト訪問者の行動を”閲覧ページ単位”で捉え、一連の行動(=セッション)として計測していました。しかしこの計測には問題があり、ユーザーが途中で閲覧方法をPCからスマホに変えたり、流入元を変えてしまった場合はセッションが切れてしまうため、一貫したユーザー行動として捉えづらい側面がありました※1。
※1 気になる商品をPCで閲覧したあと、スマホアプリ内でカートに入れて購入した場合、全く別の購買行動として捉えられてしまう。

GA4ではこの考え方がアップデートされ、デバイスを跨ぐ購買行動でセッションが途切れづらくなったこと。またユーザー行動の計測方法を閲覧ページ単位ではなく、ページ閲覧・商品チェック・カート追加・購買…といった、ユーザーの行動一つ一つを精細に計測することで、ユーザー行動にフォーカスを当てた分析を行うことが可能になりました。

旧来の方法ではページ間の遷移に対する分析はできても、「ページを●●%スクロールした」や、「動画を閲覧した」等のページ遷移を伴っていない行動は把握することができませんでした。一方GA4では「購買に至ったユーザーの行動傾向は?そのユーザーの特徴は?」といったように、これまではできなかったユーザーセグメントごとの分析ができるのが特徴です。

少し説明が複雑になりましたが、結論として”ユーザー1人1人にフォーカスを当てた分析・施策を行えるようになった”とお考えください。

まとめ

  1. サイト分析は、目的と改善ポイントを明確に持つ
    ex.「購買金額アップのために、購入回数の多い流入チャネルのユーザーを特定してアプローチしよう!」
  2. GA4では、リアル店舗だと取得の難しいデータを取ることができる
    購入した商品の金額や点数だけではなく、購入までにどれくらい(回数・時間)閲覧したかも知ることができる。さらにはどんなデバイス・ブラウザを使って、どこから訪問しているかも把握することができる。
  3. GA4ではユーザー1人1人の行動にフォーカスして分析を行うことができるようになった
    閲覧ページ単位ではなく、ユーザーの行動にあらゆる計測データ(閲覧ページ・閲覧時間・スクロール率など)を紐づける計測方法になった。セッションの定義が変わったことで、ユーザーの行動を捉えやすくなった。

GA4のEC分析で扱う基本指標

いよいよGA4で使用されている指標についての解説です。ここでご紹介するものはどれも基本的な指標ばかりです。

⚫︎ユーザー
ユーザー
Webサイトやアプリを通じて訪問するユーザーのことです。何人のユーザーが訪問したかを測る訪問者数を計測する際に使用しますので、ユーザーの数はそのままWebサイト・アプリの集客力に直結します。
新規ユーザー
上記ユーザーのうち、指定した期間において初めて訪問をしたユーザーです。ユーザー数と並べて見ることで、その期間の新規・リピート率がわかります。

⚫︎イベント数
ユーザーが指定した期間に起こした行動の回数です。
Aさんが初めてサイトに訪問し、閲覧を開始して、ページを閲覧し、カートに商品を追加…という行動それぞれに対して計測をします。
このイベント回数が多いほどサイトへの関心度は高いことになります。
「どんな行動を計測しているのか?」と思われる方もいるかもしれません。ここでは代表的なイベントに限定して紹介させていただきます。下記の行動に対してGA4はイベントを定義しています。

first_visit
サイトに初めて訪問すること
session_start
ユーザがサイトに訪問をしてセッションをスタートすること
page_view
ページ閲覧をすること
click
リンク・ボタンを押すこと
scroll
ページをスクロールすること
user_engagement
ユーザーがページ閲覧をして、次のページに遷移・もしくはサイト遷移をする際に発火したこと
view_item_list
アイテムリストを表示したこと
view_item
アイテム詳細を見たこと
add_to_cart
アイテムをカートに追加したこと
begin_check_out
お会計を開始したこと
purchase
購入をしたこと

⚫︎コンバージョン
そのサイトにおける価値あるイベントを指します。コンバージョンとなるイベントはユーザー側で定義が可能です。一般的にはフォーム投稿率や問い合わせ数、ECであれば購入がコンバージョンと定義します。

⚫︎エンゲージメント
サイト内でユーザーが意味のある行動をとったことを示す尺度です。10秒を超えるセッションの継続、コンバージョン、2回以上のページビューはエンゲージメントに該当します。
エンゲージメントのあったセッション(ユーザー)として扱われることが多く、この数字が多いほど、サイトへの関心度が高いと判断することができます。

⚫︎セッション
ユーザーがWebサイト、もしくはアプリを操作する一連の行動を括った単位です。デフォルトでは30分操作がないと終了します。

⚫︎表示回数
ページを表示した回数です。

⚫︎アイテムの合計収益
税金・送料を除いた、アイテムの合計収益です。

⚫︎eコマースの購入数
商品を購入した回数です。

⚫︎商品の購入数
購入した商品数
※1回のお会計で2点の商品を購入した場合、eコマースの購入数は1、商品の購入数は2です。

GA4の基本指標の見方 3選

それでは基本的な指標が把握できたところで、可視化の方法をご紹介します。
実はGA4のデータの可視化にあたってはいくつかの方法があるのをご存じでしょうか。ここでは無料に今すぐ作成できるものから、場合によっては有料で可視化ができる方法をご紹介いたします。

※3通りの簡易比較

①GA4で可視化する

アドホックな分析に最適
特別なツールは使わず、GA4の中で無料で今すぐ見ることのできる方法です。そもそもGA4ではある程度代表的な指標を一覧にしてくれている標準レポート。分析者が意図を持って分析をするための探索レポートの2種類があります。

・基本的な指標だけを見る
・(標準レポートにない)ユーザー独自のレポートを作成する


この2点をする場合においてはとても便利です。一方で、他者と共有するためにはGA4の権限を付与しなければいけませんし、資料化をするにしても毎回エクスポートをしてPDF化したりするなどの手間があります。

できること
分析者の意図に沿ったアドホック分析(特定のニーズに沿って都度行う分析)に向いています。→GA4の権限を付与することでツール内でのレポート共有が可能です。
できないこと
社内への定期レポートには向きません。GA4の権限管理が必要なこと。エクスポートするにしても毎回手動で行わなければいけません。

※標準レポート

※探索レポート

②Looker Studioで可視化する

定期レポートの発信に困ったらこれ
2つめは、Looker Studioで可視化をする方法です。

Looker Studioとは?

Looker Studioとは、様々なデータへのアクセス・取得データの加工・可視化までを行うことができる、Googleが提供する無料のBI(データ可視化)ツールです。
対応データはとても幅広く、Gooleのほとんどのツール(スプレッドシート・GA4・Google広告・BigQuery 等)や、その他様々な会社が提供するデータベース(AWS・Orcale 等)にもアクセスが可能です。

Looker Studioのメリットの一つに、共有のしやすさがあります。GA4の探索レポートでも分析・共有は可能なのですが、探索レポートにアクセス→場合によってはエクスポートをして体裁を整える…といった手間が発生してしまいます。こうした手間を省いたデータの可視化を自動化をできるツールが今回ご紹介するLooker Studioです。

できること
定期レポートの作成に向いています。一度ダッシュボードを作成、アクセス権限を付与するこよで、見たひとが見たい時に最新の情報を取りにいくことができます。
→GA4以外のデータ、例えばGoogle広告の実績と並列で確認することもできます。

できないこと
探索レポートでしか作成できないレポートがいくつかあります。例えば経路データ探索コホートデータ探索はLooker Studioで作成することができません。

使い方こそ覚えてしまえば便利なLooker Studioですが、慣れるまでにはいくつかの使い方を覚える必要があります。そこで今回、弊社ブログ編集部で作成をしたダッシュボードを公開しつつ、作成方法についても併せてご紹介をします。

詳しくはこちらの記事をお読みください。

③BigQuery×Looker Studioで可視化する

リッチなデータ分析なら絶対これ
3つめは、BigQueryにGA4データをエクスポート。その後、BigQueryでデータを加工してLooker Studioに接続する方法です。

BigQueryとは?

BigQueryとは、Googleが提供するデータウェアハウスです。データウェアハウスは簡単に言うと、大量のデータを貯めておく倉庫のような場所です。ここではSQLを使ったデータ加工・機械学習を行ったり、様々なエンドポイントにデータを送り込むことが可能です。(月の無料枠を超える分については料金が発生します。)

SQL(データベース言語)を扱える人材が必要になりますが、BigQuery上で様々なデータとの連携をしたり、GA4→Looker Studioでは実現の難しい分析が可能です。

できること
あらゆるデータとの連携が可能です。広告データ・GA4・ユーザーデータとの連携をしたリッチなデータ準備と分析ができます。
できないこと
完全無料で運用することができません。また分析用データマートの作成が必要なため、これまでの方法に比べて最終の可視化までにリードタイムがかかります。

そもそもBigQueryでGA4データを集計した可視化のイメージが付きづらい方もいらっしゃるかと思います。なので、こちらのデータについても弊社ブログ編集部にてダッシュボードをご用意させていただきました。詳しくはこちらの記事をお読みください。

まとめ

ECサイト分析のために、まず最初に把握したい指標と可視化方法についてご紹介しました。サイト分析といっても目的は様々で、「サイト分析の目的は?そのために見たい指標は?」という問いの答えは様々です。それに応じたデータ準備・可視化が必要ですし、場合によっては今回の記事の中にも登場したBigQuery等のデータベースを噛ませることでしか実現が難しい分析もあります。

次回は、GA4データを標準レポートで可視化する方法についてご紹介します!
ここまでお読みいただきありがとうございました。

この記事をシェア

  • X
  • Facebook
  • LINE
  • COPY LINK
クリップボードにコピーしました

関連記事

DX-Acceleratorについて
より詳しく知りたい方!

DX-Accelerator データ人材常駐支援サービス

即戦力の
アナリティクスエンジニアが
常駐支援!
まずはお気軽にご相談ください。

DX-Acceleratorについて
より詳しく知りたい方!