オウンドメディア運営の成功に欠かせない分析とは(前編)

オウンドメディア運営の成功に欠かせない分析とは(前編)

更新日:2024/05/23

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この記事が解決できること

  1. オウンドメディア分析の重要性がわかる
  2. オウンドメディアのKPI設定の重要性がわかる

はじめに

多くの企業が色々な目的で運営しているオウンドメディア。リード獲得やブランディング、販売促進や採用など、その目的は多岐にわたります。
しかしオウンドメディアを導入したからといって、目的が達成されるわけではありません。オウンドメディアで十分な効果を発揮するためには、分析と改善を繰り返し行うことが非常に重要です。
とはいえ、

  • なぜオウンドメディアの分析が必要なのか、腑に落ちていない
  • どのような指標を見て、どのように分析すればいいのか分からない

と感じられている方も多いのではないでしょうか。
本シリーズでは、オウンドメディア分析における心構えや見るべき指標をご紹介していきます。
前編となる本記事では分析を行う前に知っておきたい、オウンドメディア分析の重要性、そしてKPI設定の重要性について詳しく説明していきます。

オウンドメディアとは

そもそもオウンドメディアって?

オウンドメディアとは、企業自らが所有・管理するメディアのことです。自社の製品はもちろんのこと、サービスに関する情報やユーザーにとっての有益な情報を発信します。そのためオウンドメディアは、顧客との関係構築やブランディングを行うためのプラットフォーム的側面も持ち合わせているのです。

オウンドメディアの役割としては、以下の4つが挙げられます。

①顧客との関係性の構築及び強化
情報が溢れた現代において、広告のような断片的かつ一時的な情報だけでは顧客との関係性を構築することは非常に難しいでしょう。
しかしオウンドメディアであれば、上記の通り企業が顧客と直接対話しコミュニケーションを図るためのプラットフォームとして機能するため、段階的に関係性を構築していくことが可能になります。
コンテンツを通じ、顧客のニーズや関心を捉え応えることで、関係性をより強固なものにしていきロイヤリティを高めることに繋がるでしょう。

②広告コストの削減
オウンドメディアが成長しリード顧客を集めることができるようになっていれば、広告代理店やメディア企業に高額な広告費を支払う必要はありません
コンテンツプラットフォームを自社で所有しているため、広告掲載期間に制約されることなく、長期間にわたって持続的な露出も可能となります。
加えて、自社の目標や顧客のニーズに合わせてコンテンツを最適化できる点も特筆すべきでしょう。

③ブランディング
自社のイメージ向上や他社との差別化には欠かせない、ブランディング。
企業がコントロールできるオウンドメディアとの親和性は非常に高く、顧客に価値あるコンテンツを提供することでブランド価値の向上に直結します。
自社のビジョンやメッセージを、自由な表現で伝えることができるというのも特徴の一つです。有益なコンテンツを通じて顧客の信頼を確固たるものにしていきます。

④柔軟なマーケティング施策
何度も記載した通り、オウンドメディアは企業がコントロールできるため柔軟性に秀でています。
そのため、ブログ記事のようなテキストのみならず、画像や動画、オーディオなど多種多様なコンテンツ形式を活用することも可能。また、顧客の購買プロセスにも多大な影響を与えることができます。
例えば、認知段階では自社製品やサービスの紹介、興味段階ではメルマガ等を活用した関心の維持を、検討段階ではオウンドメディアを通じて製品の利点や価格、他の顧客の声などを閲覧することで購買意思決定に影響を与えることができるでしょう。

オウンドメディア分析の重要性

ここまでオウンドメディアの役割を紹介してきました。
しかし、質の高い記事を作成するだけではこれらを十分に発揮することはできません。
分析を行わないことで、掲げていた目標の達成はおろか間違った方向へと舵を切ってしまい失敗に繋がるなんてことも。オウンドメディアを効果的に運営、改善するためには分析が必要不可欠なのです。

特に下記の3つのポイントにおいて、オウンドメディア分析は重要な役割を担っています。

  • 顧客理解
  • ROIの最適化
  • エンゲージメントの向上

ここからはそれぞれのポイントに対するオウンドメディア分析の重要性について、個別に見ていきましょう。

顧客理解

顧客の傾向や行動を理解するためには、オウンドメディア分析が欠かせません。
ソーシャルメディアやウェブサイトのアクセスログ、各ページのクリック率や離脱率等のデータを分析することで、顧客の行動パターンや興味関心、趣味嗜好を理解することができます。
また、デモグラ情報(性別、年齢、地域、収入など)の取得も可能なため、どのようなメディアやコンテンツが、どのような属性の顧客に受け入れられやすいかの理解を深め、顧客とオウンドメディアの関係性を立体的に把握できるでしょう。

ROI(投資対効果)の最適化

どういったコンテンツやキャンペーンの受けがよく(悪く)、最も効果的なのか。オウンドメディア分析は、それらを特定しROI(投資対効果)を最適化するのに役立つでしょう。
具体例として、適切なターゲティングやチャネル選定によるトラフィックの最適化、ランディングページやCTA改善によるCVRの向上、オウンドメディアの方向性の精査が挙げられます。
効果的なコンテンツやキャンペーンの作成にリソースを配分することで、効率的かつ効果的な戦略を組み立てることができるでしょう。

エンゲージメントの向上

顧客エンゲージメント(企業と顧客の信頼関係)を向上させることで、競合他社との差別化や優良顧客の増加、リピート率の向上や口コミによる新規顧客の増加といったメリットが生じます。
クリック率や滞在時間といった指標からコンテンツの改善点を顕在化し、コンテンツに対する顧客のコメントや「いいね」といったフィードバックの収集を積極的に行い分析することで、顧客のニーズや興味に合ったコンテンツの提供に繋がります。
顧客エンゲージメントを向上させるためには、コンテンツの質やコンテンツに対する満足度の向上は必要不可欠です。

オウンドメディアのKPI設定

分析前にKPI設定はなぜ必要?

ここまでオウンドメディア分析の重要性についてご紹介してきました。早速オウンドメディア分析の手法や見るべき指標についてご紹介していきたいところですが、まずはオウンドメディアの運用に欠かせないKPIの設定についてご紹介していきます。

なぜ、オウンドメディア分析においてKPI設定が重要なのか?ポイントは下記の2つです。

方向性の明確化

オウンドメディアを運営する際、まず決定しなければならないのが「オウンドメディア運営を通じて、どのような目的を達成したいのか」を明確にすること。
売上向上なのか、ブランド認知度向上なのか、顧客獲得なのか、どういった方向性をもって運営していくのかを明確にしなければ、分析の焦点が定まらず課題が散逸してしまうことになりかねません。
また、短期的な視点に基づき数値を追ってしまうことで、企業全体のマーケティング活動に悪影響を及ぼすリスクもあります。そうしたリスクを避けるためには、長期的なビジョンを持ち、そこから逆算してKPIに落とし込んでいくことが重要です。

評価基準の設定

「毎日更新しているのに○○PVしか獲得できない」「平均CVRが○○%だ」というように、ただただ数値を追ったとしても果たしてそれが良かったのか悪かったのか、ネクストとして何をすべきなのかといった評価や意思決定に繋がらなければ何の意味もありません。定量的な指標となるKPIを設定することで、成果を客観的に評価し改善の方針を立てることができます。

  • ○○を下回ったら、BAD→悪かった要因は何かを調査し、改善していく
  • ○○を上回ったら、GOOD→良かった要因は何かを調査し、今後に反映していく

このような形でKPIと行動を関連付けておくことで、コンテンツの良し悪しの判断とネクストアクションで何をすべきかが明確になるでしょう。

KPI設定はフェーズごとに

次にKPI設定の詳細について見ていきましょう。
前段でお伝えした通り、オウンドメディアの運営には長期的な視点が大切です。
オウンドメディアは短期的な効果が期待できないマーケティング手法といっても過言ではなく、企業と顧客の確固たる信頼関係を築くためにも長期的なコンテンツ戦略やコミュニティの育成が必須となってきます。
オウンドメディアにはそのような特徴があるため、どのようなフェーズに置かれているかによって適切なKPIの設定が重要です。
「とりあえずPVやCVをKPIとして設定しよう」では、段階的に改善を行うことができず、最適な戦略とは遠ざかってしまうばかり。
また、フェーズにそぐわないKPI設定を行った状態で、オウンドメディア分析を行ったとしても水の泡になってしまうでしょう。
オウンドメディアには以下の4つの段階があり、1段階ずつ進んでいくことが大切です。各フェーズでどういったポイントを押さえておくべきか、しっかりと把握しておきましょう。

①メディア立ち上げ段階(認知)
オウンドメディア開始から半年~1年ほどが目安となる「メディアの立ち上げ段階」では、認知してもらうことが何よりも重要。サイトへの訪問者数やPV数、セッション数といった流入数が最も重要な指標となるわけです。
加えて、流入を促すためのSEO指標(検索キーワード数や検索エンジンでの表示順位)や新規コンテンツ投稿数の現状把握と改善も行っていきましょう。

②見込み顧客獲得段階(興味・検討)
流入数が目標に達するようになった後は、「見込み顧客獲得段階」となっていきます。
ランディングページの閲覧に留まらず、他の記事に目を通してもらうことで、オウンドメディア全体と企業に対して興味を抱いてもらうフェーズです。 興味を抱いてもらった後は、資料やホワイトペーパーのダウンロードや問い合わせを検討してもらう必要があります。
そのため、訪問者数やPV数といった流入数に注視するのではなく、サイトの滞在時間や直帰率、スクロール率や回遊率といったユーザーの行動を分析しましょう。

③CVへの導線を強化する段階(行動)
流入数、見込み顧客数を継続的に獲得した後は「CVへの導線を強化する段階」です。
CVに貢献した記事のパフォーマンスを分析することで、どういった記事内容(コンテンツの有用性、文体、情報量等)がCVに繋がりやすいのか、行動を喚起しやすいかが見えてきます。該当するページのPV数やCVR、CTRを把握し改善へと繋げていきましょう。
また、コンテンツの品質を分析するだけではなく、CVに至るまでのユーザーの行動フローの可視化や、CTAのパフォーマンス分析を行うことでより効率的にCVへの導線を強化できます。

④エンゲージメント向上段階(顧客満足度)
最後はメディアを運営していく中で最も大切となってくるファンの創造、つまり「エンゲージメント向上段階」を追うフェーズとなっていきます。
ここでは単にCV数を追いかけるのではなく、リピート購入率やユーザーの継続利用率をKPIとして設定しましょう。これらは顧客ロイヤルティを測るうえで重要な指標となっており、そこをしっかりと把握し改善することでオウンドメディアが理想的なコミュニティへと近づきます。
加えて、アンケートのような顧客からのフィードバックや評価スコア等も重要な指標となってくるので、併せて把握、改善することが重要です。

まとめ

本記事では、オウンドメディア分析を行う前に知っておきたい、「オウンドメディア分析の重要性」、「KPI設定の重要性」について説明いたしました。
オウンドメディア運営の成功のために、本記事が少しでもお力添えできれば幸いです。
次回は、後編となる「オウンドメディア分析における心構え」、「見るべき指標」について詳しく紹介していきます。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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株式会社UNCOVER TRUTH
ビジネスデベロップメントグループ DX-Acceleratorチーム

2022年、UNCOVER TRUTHに中途入社。
フロントエンドエンジニアを経験後、データ分析を行いたいとの思いから転職。
オウンドメディア分析、ダッシュボート構築をメインで担当。

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