目次
はじめに
業務内でQlik Senseを初めて触ることになったので、その時に学んだことを備忘録として残しておきます。
Qlik Senseは大量のデータ処理を行うことができる、UIが分かりやすく操作が比較的容易、専門家でなくても自動化設定ができるなどのメリットが多くあります。一方で、独自のキーワードや操作などもあり、初学者には少しハードルとなる部分もあります。
今回の記事では、初めてQlik Senseを触る初心者の方向けにガイドラインをまとめました。手を動かす前に「まずはこのあたりを押さえておくとよい」と思う部分を抜粋しているので、ぜひ参考にしてください。
Qlik Senseとは
Qlik Senseは、非常に複雑な分析の課題にも対応できる最強の機能を備えたデータアナリティクスソリューションです。
Qlik Senseに実装されているBI機能は、ドラッグ&ドロップで誰でも簡単にスマートなグラフを作成することができます。セキュリティ機能も充実しており、ユーザーごとにアクセス権を設定可能です。
公式サイトはこちら。
Qlik Senseの機能
■アプリとは
Qlik Senseでは、1枚以上のシートを含むBIをアプリと呼びます。他BIツールではダッシュボードと呼ばれる単位がアプリに相当します。
アプリを作成する際には、利用目的に応じてデータを活用していきます。ダッシュボードを作成、可視化し、分析するためのツールとしてQlikSenseを使用していきます。
■アプリの機能
アプリにはデータ使用のためにいくつかのツールが実装されています。
データ利活用の目的やデータ自体の複雑性、使用者のデータリテラシーに合わせて使い分けると良いでしょう。
- データマネージャー
バブルとして表示されるデータ テーブルを表示します。バブルのサイズはテーブル内のデータの量を表しています。
バブル間のリンクは、テーブル間の関連付けを表しています。
- データロードエディタ
必要なデータを接続して、取得したいデータを加工するためのスクリプトを書く画面になります。
- データモデルビューア
各テーブルのリレーションが可視化されており、ER図のような形で確認できます。
下記のように<Customersテーブル>と<Citiesテーブル>が紐づいている場合、<Customersテーブル> – <Citiesテーブル>でリレーションキーで確認することができます。
- レポート
アプリのチャート・データを使用して、Excelレポートを作成できます。
- シート作成
接続したデータ・自身で加工したデータを用いてBIによる可視化を行うことができます。
Qlik Sense ではアプリの中に含まれるコンポーネントをシートと呼びます。シート上にはスコアカードやチャート、テーブルやグラフなどを配置することができます。
Qlik Senseの知識:QVDとは
■QVDとは
QVD(QlikView Data)は、Qlik Sense専用のファイル形式で、Qlik Senseでのみ読み書きが可能です。
これを使うと、自分で加工したデータを中間テーブルとしてQlik Sense向けに特化して保存できます。(ご自身でテーブルデータを作成した経験がある場合には、BI内で中間テーブルデータを作成するイメージを持っていただけると良いかと思います)
QVDファイルは、Qlik Senseで作成したスクリプトからデータを高速に読み込めるよう最適化されており、通常の外部リソースやローカルファイルよりもデータをコンパクトに保持できます。
■QVDを使用するメリット
QVDファイルは独自のデータファイルで、Qlik Sense用に最適化されているためほかと比べてデータの読み込みが10~100倍高速になります。
もし、大量のデータがある場合はQlik SenseのデータロードエディタからQVDファイルを作成しておくことをお勧めします。
- 以下はQVDファイルを作成していない場合と作成した場合の図になります
Qlik Senseの知識:スペースとは
スペースはQlik Sense独特の機能です。主に以下の3つのスペースが存在します。
■スペースとは
スペース機能
- 個事スペース
- 共有スペース
- 管理スペース
ひとつずつ紹介していきます。
①個人スペース
個人スペースはその名の通り、個人だけがアクセスできるスペースです。
ログインしたユーザー(自分自身)以外は閲覧・編集はできないスペースになっています。
②共有スペース
共有スペースは他のユーザーと共同編集・データを接続したりすることができます。
主に作業者専用のスペースとして使用することが多いかと思います。
全てのユーザーがアプリに無制限にアクセスしたり共同開発できるわけではありません。それぞれのユーザーが権限を付与された対象アプリ・データのみ、編集やデータ接続が可能になります。
③管理スペース
管理者専用のスペースになります。
スペースの所有者とターゲットアプリの使用者のみがアプリを開くことができます。
他のユーザーは、権限が与えられていない限り、管理スペースでアプリを開くことができません。
注意事項
Qlik Sense Business または Qlik Cloud 分析スタンダード では、管理スペースを使用できません。
■Qlik Senseにおけるライセンス
Qlik Senseを使用するためには3種類のライセンスが存在します。
ライセンス | 内容 |
---|---|
Professional | ・データの視覚化・分析・BIの作成・データの探索など、ほとんどの機能にアクセスできます ・データの準備や作成に関わる開発者やデータ分析者向けです。 ・データの作成、変換、更新、管理などの全機能へのアクセス権があります。 |
Analyzer | ・データの視覚化やBIの閲覧・ドリルダウン・フィルタリングなどの分析機能にアクセスできますが、データの変換やデータのリロードなどのデータの準備はできません。 ・BIやレポートを閲覧し、データを探索するビジネスユーザー向けです。 ・データの閲覧・視覚化・分析・フィルタリングなどの機能へのアクセス権がありますが、データの変更や更新はできません。 |
Analyzer Capacity | ・使用可能な機能に関してAnalyzerと同じです。 ・アプリ内のデータに基づいてストーリー、ブックマーク、スナップショットを作成することができますが、シートやアプリの作成・編集・公開などはできません。 ・1単位(6分)を使用したい分購入しアプリのアクティビティーによってその単位を使いQLIKSENSEを確認する。超過した場合はこちらのライセンスの方はアクセスを拒否されます。 |
端的にまとめると、下記のようになります。
- Professional
役割:作業者・管理者向け
内容:アプリの新規作成や編集、データ管理や作成ができます。
- Analyzer
役割:閲覧者(経営陣やマーケターなど)
内容:自身でフィルターをかけ対象スコープに情報を絞り込むことができます。具体的な目標と仮説を設定し、明確な方向性を持ってデータ分析することができます。
- Analyzer Capacity
役割:閲覧者(可視化したものを確認する人)
内容:Analyzerとできることは変わりませんが、ダッシュボードを確認できる時間が限られているため、分析には難しいです。
※印刷をするなら利用しても良いかもしれません
おすすめのライセンス
基本的にはProfessionalとAnalyzerの2種のライセンスがあるとよいでしょう。
■スペースの作成・削除方法
スペースの作成・削除方法を理解しておきましょう。特に管理者・作成者はスペースを上手く活用する必要があるため、押さえておくことが必須になります。
- スペースを新規作成する。
①の新規追加を押します
②のスペースを作成を押します。これでスペースが作成されます
このスペースではアプリを作成することはもちろん、データを接続することも可能です。
- スペースを削除する
誤って作成してしまったスペースは削除することもできます。
注意点
不要なスペースを削除することはできますが、中にアプリやデータが入っている場合はスペース内を全て削除しないとスペース自体は削除できません。
参考サイトはこちら。
まとめ
Qlik Senseは初心者にとっても分かりやすいUIを実装しており、初めてBIツールを使う人にも親しみやすいツールです。アプリ、スペースなどの機能を有効活用して、ぜひデータ利活用を促進してみてください。
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