小川卓が解説!サイト改善のためのGA4活用。顧客の興味関心を捉えて効果を上げる次世代のUX改善手法とは?|セミナーレポート
この記事は、2023年11月29日に開催されたウェビナー「小川卓が解説!サイト改善のためのGA4活用。顧客の興味関心を捉えて効果を上げる次世代のUX改善手法とは?」の一部抜粋とアーカイブ動画のご案内をしています。前半は、UNCOVER TRUTHのCAOの小川卓が、GA4を活用したWebサイトの改善やユーザーの興味関心を捉える方法について解説しています。
Webサイト改善のためのGA4活用|株式会社UNCOVER TRUTH
株式会社UNCOVER TRUTH
CAO(Chief Analytics Officer)
小川卓(おがわたく)
University College London (UCL) 卒業。早稲田大学大学院理工学研究科卒業。ウェブアナリストとしてリクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、独立。ウェブサイトのKPI設計、分析、改善を得意とする。ブログ「Real Analytics」を2008年より運営。全国各地での講演は500回を突破。著書に『ウェブ分析論:増補改訂版』『ウェブ分析レポーティング講座』『マンガでわかるウェブ分析』『Webサイト分析・改善の教科書』『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』『「やりたいこと」からパッと引けるGoogleアナリティクス分析・改善のすべてがわかる本』など。
Webサイトの改善のプロセス
そもそも、データを使ってWebサイトを改善する理由とは?
- 上司・クライアント・同僚は売上を作る「ユーザー」ではない
- データは嘘をつかない(正しく見る必要はあるが)
- データがあれば同じ基準で取り組むことができる
上司や同僚の感覚ではなく、実際にユーザーの行動したデータを主軸に考えることが重要です。そうすることで、社内でも同じ基準で、事実を元にした議論や施策実行に取り組めるようになります。Webサイトの改善は、下図にある「仮説」や「分析」から始まるケースが多いので「よい仮説」をたてたり「よい分析」をするために、ユーザーの興味関心を把握できるデータを取得することも重要となります。
GA4でユーザーの興味関心を把握するためのレポートとオーディエンス機能
ユーザーの興味関心がわかることで、Webサイトの改善にとどまらず、メールや広告、営業などにも使える有益な情報となり、様々な場面で仮説と施策案をたてやすくなります。ここからは、GA4でユーザーの興味関心がわかる6つのレポートについてご紹介します。
1. 平均エンゲージメント時間
ユーザーがどのぐらい興味を持ってサイトに滞在したのか?を総滞在時間や平均エンゲージメント時間で評価します。
2. 経路探索
ユーザーが想定通り動いてくれているのか?を確認します。施策を行った際には、期間比較やセグメント機能を利用して、ユーザー行動の違いや変化を理解するのに使います。
3. ファネル探索
サイト全体として、通過して欲しい導線におけるユーザーの行動を確認します。コンバージョン数や率が変化した時には、どのステップが変化しているかをチェックします。
4. ユーザーエクスプローラー
特にコンバージョンしたユーザーのデータを確認します。これらのデータからユーザーの状態や意図を想像していくことが重要です。
5. カスタムイベント実装による興味関心
例えば、選択式の質問項目をページ内に用意して、データがある程度溜まったら、セグメントを利用して、そのユーザーごとの傾向を把握する等ができるようになります。
6. カスタムオーディエンス機能
カスタムオーディエンスは、条件を指定し、それらに該当するユーザー群をイベント名として登録できます。例えば「初期段階」「検討段階」「購買意欲が強い」等のオーディエンスを作成して、カスタムオーディエンスごとの違いや、変化するときにキーとなる行動等を確認していきます。
GA4で行う分析の限界と次のステップ
GA4は「ページ内」でのユーザー行動を追うのが不得意なため、GA4だけでは「ページ内」の改善案を出す難易度が高くなります。とはいえ、施策を実行しなければサイト改善は進みません。そのため、冒頭でお伝えした改善のプロセスにおける「深堀」をする段階でUXツール等を利用する必要性が出てきます。
Content Analytics(コンテンツアナリティクス)
コンテンツアナリティクスは、株式会社UNCOVER TRUTHが提供するWebサイト分析ツールです。Webページ内の画像やテキスト部分を自動的に分割してデータを取得し、画像やテキスト(=コンテンツ)それぞれの成果をビュー数・率、閲覧秒数、ゴール数・率、クリック数・率の4つの指標で数値化します。動画内では、実際に私がコンテンツアナリティクスを使ってサイト分析をした事例を解説しています。
ユーザーの興味関心を捉えて効果を上げる次世代のUX改善手法とは?|株式会社電通デジタル
後半も「顧客の興味関心を捉えて効果を上げる次世代のUX改善手法とは?」をベースに、新しいUX改善手法を取り入れたい、今のやり方にちょっとモヤモヤを感じている方へ向けて、株式会社電通デジタルの福島氏からは「次世代UX改善の考え方とは?」、石川氏からは「コンテンツアナリティクスを実際に使ってみた所感」についてお話しいただきました。
登壇者紹介
株式会社電通デジタル
エクスペリエンステクノロジー部門
オウンドグローステック事業部
CRO第2グループ マネージャー
福島亮介 氏
リクルートにて、旅行・飲食・人材・住宅など複数の大規模サイトおよび管理システムの構築~コンバージョン改善、分析などにも幅広く従事。旅行予約サイトプロダクト責任者を経て、2018年より電通デジタルに参画。サイトの分析・課題抽出から仮説立案~実行まで実施。A/Bテスト実務経験は大小含め数百件に上る。
株式会社電通デジタル
エクスペリエンステクノロジー部門
オウンドグローステック事業部
CRO第1グループ
石川澄華 氏
新卒でクレジットカード会社に入社し、フロントエンジニアとしてLP・会員サイト・申し込みフォームの改善プロジェクトに幅広く従事。エンジニアとして知見の生かし、職域を超えてUI改善活動推進した経験を持つ。2021年12月に電通デジタルに参画し、コンサルタントに転身。
次世代UX改善の考え方とは?|電通デジタル 福島亮介 氏
いろいろな業種・サービスの企業様をご支援させていただくなかで、そもそもABテストのやり方がわからないという企業は減ってきています。一方で、実際にABテストをおこなってきたが効果が無く、予算がつきにくくなってきたという状況も多くあるように感じています。
このような場合では、例えば、ボタンの色やページの見出し、キービジュアルの画像は写真かイラストか等に注力してしまっていたり、絶対効果があるであろう要素を追加して計測するようなABテストをしてしまっているケースが見受けられます。そもそも、ABテストとは何のためにしているのでしょうか?
ABテストは、Webページにおける「面」の改善手法のひとつ
下図にあるように、そもそもABテストは、売上増加を目的として、ユーザー獲得率増加に向けた、ユーザーが訪れるWebページ等の場所をよりよくする改善手法のひとつです。
大事なことはユーザー理解と施策戦略を連動させること
ユーザーが訪れる場所をよりよく改善していくためには、ユーザーがほしいと思うことに答えられるような分析と施策を着実に積み重ねていくことが大事になります。
効果を上げたいなら、ページのリニューアルはまだ先でいい
後の石川のパートで詳しくお伝えしますが、下図は、現在のページ内容をユーザーが求める並び順に変えることで効果を上げた例になります。新しいコンテンツ企画を考える前に、まずは、今ある内容をユーザーが求める形に変える施策をご検討いただければと思います。
【まとめ】これからのサイトのUX改善手法
この考え方は「新規獲得」に向けてだけではなく、2回目購入やクロスセル等にも応用ができます。
コンテンツアナリティクスを使ってみた!ぶっちゃけどうなの?|電通デジタル 石川澄華 氏
ここからは、前段の福島氏の話を元に、実際の事例をご紹介します。
なぜコンテンツアナリティクスを使おうと思ったのか
日頃からABテストの運用では、Google Analyticsとヒートマップで分析することが多いのですが、ヒートマップは直観的にわかりやすい反面、不便なところもあります。
- 色調の差だけでは定量的な評価がしづらい
- CVや離脱に繋がったコンテンツが図りづらい
さらに、長期でご支援しているクライアント様の場合、確認できるデータで判断できる課題にはおよそ手を付けてしまっていることもあります。そこで、ヒートマップが担っていたページ単位の分析で、新たな発見や気付きを得るべく、コンテンツアナリティクスを導入することとしました。
小川さんのパートでもご説明がありましたが、コンテンツアナリティクスは、UNCOVER TRUTHさんが提供しているWebサイト分析ツールです。Webページ内の画像やテキスト部分を自動的に分割してデータを取得し、画像やテキスト(=コンテンツ)それぞれの成果をビュー数・率、閲覧秒数、ゴール数・率、クリック数・率の4つの指標で数値化します。
コンテンツアナリティクスを実際に使ってみた
コンテンツ名登録機能で全体感を掴む設定を
コンテンツアナリティクスは、自動でページ内の各要素を分割しますが、「コンテンツ名登録」という機能で、各要素を分析したい単位でまとめることもできます。ここでは、ページ内の行動の全体感がつかめるような粒度で設定しました。
データを分析して、ユーザーの動きを推測しニーズを捉える
コンテンツの成果を4象限で分類、改善の優先順位と方針を決める
下図にあるように、各コンテンツの成果を捉えるために、どのくらい見られているか?(=ビュー数・率)と、どのくらいCVに貢献しているか?(=ゴール数・率)で4象限に分類し、改善箇所の優先順位とABテストの方針を決めていきます。
CVRに貢献するコンテンツを見つけて、施策に活用する
実際のコンテンツを4象限に当てはめると、下図のようになります。ここでは「メリット」に関するコンテンツがCVRに貢献することがわかりました。これまでの知見からもCVRに貢献するコンテンツは横展開しても成果が出やすいので、別チャネルでランディング先にしているLPにも設置することとしました。
具体的には「メリット」のコンテンツは、アフィリエイトのLPにしか存在していなかったので、メールやリスティングのLPにも設置しました。
施策の結果を確認する
まずは、ABテストツール上でABテストの結果を確認しました。
念のため、上図にあるABテストツール上での結果だけではなく、下図のコンテンツアナリティクス側での数値も確認しましたが「メリット」のコンテンツは、閲覧が多く、貢献度も高いという同様の結果がでました。
さらに、結果を深堀ることで、成果がよかったメールLP側での成果だけではなく、成果の悪かったリスティングLP側での新たな仮説も生まれました。
コンテンツアナリティクスを使ってみた所感
- 当初の課題だった、色々な改善をやりきった感を解消できた
- コンテンツが4象限にわかれるため考えやすい
各コンテンツごとのビュー率やゴール率がわかることで、ABテストに向けた新たな課題も見つかるようになり、引き続き改善を続けることができるようになりました。
ヒートマップの場合、実際のページや各ヒートマップを並べながら考察していく必要がありましたが、コンテンツアナリティクスの場合、数値化されたデータを元にして考えられるため、作業自体も効率化されました。先ほどの事例のように、ABテスト結果に対しても活用できるので、これまでとは違う視点の新たな示唆を見つけやすくなりました。
コンテンツアナリティクスの詳細についてはこちらからご覧ください。
動画はこちらから
本セミナーレポートは本編の一部を抜粋した内容です。すべての内容はぜひ動画内でご確認ください。
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UNCOVER TRUTHでは、CDPやCRMを主軸にデータ活用に関して皆さまのお役に立つコンテンツをお届けしてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。最新のセミナー情報に関してはこちらから。過去のセミナーレポートはこちらからご覧いただけます。
コンテンツアナリティクスの活用方法がわかる資料配布中
GoogleアナリティクスのバージョンがUA(ユニバーサルアナリティクス)からGA4に移行された現在、画面操作や分析方法が難しくWEBサイト改善やコンバージョン改善に苦戦している企業が増えています。当社CAOの小川卓が「コンテンツアナリティクスを使って自社サイトを分析しました」と題してWEBサイト改善で見ていくポイントと活用事例のホワイトペーパーを作成いたしました。ぜひご活用ください。