Content Analytics(コンテンツアナリティクス)を使った分析手法とWebサイト改善方法

この記事では「Webサイトの改善でどのようなツールを導入したらいいか迷っている」「CRM施策でもっと示唆を得られないかと考えている」という方に向けて、当社の提供する『Content Analytics(以下:コンテンツアナリティクス)』を活用した分析手法とWebサイトの改善方法について解説しています。

コンテンツアナリティクスとは

コンテンツアナリティクスとは、Webページ内をコンテンツ(=画像やテキスト)単位で自動的に分割して、データを取得し数値化するツールです。Webサイトに訪れるユーザーの嗜好性を、コンテンツ毎の数値から正しく評価することで、精度の高い顧客分析を可能にします。WebサイトのUI改善だけでなく、ファン育成やリピート率改善などLTVの最大化にも活用できます。

4つの指標でWebページ内の画像やテキストの成果を数値化

下図にあるように、コンテンツ毎の「ビュー数・率」「閲覧秒数」「ゴール数・率(※ゴールはURLをベースに複数設定可能)」「クリック数・率」が確認できます。

グループ、フィルタ、エクスポート。目的に合わせて柔軟に活用できる機能を搭載

コンテンツアナリティクスでは、自動的に分割したページ内の画像やテキストを、内容や目的に合わせてグループ化する「コンテンツ名登録機能」が用意されているので、ページ内を柔軟に分析することもできます。他にも「フィルタ機能」を利用することで、閲覧ページやカスタムディメンションなど各種ユーザー条件を絞ることや「データエクスポート機能」を利用して「〇〇のコンテンツに接触したユーザーのID」を割り出して、他社の施策ツールでのセグメントとしても活用できます。

コンテンツアナリティクスによる分析手法

基本指標の見方

コンテンツアナリティクスでは下記4つの指標を見ることができます。ここからは、各指標の実際のデータを見ながら、どう解釈するか説明していきます。

  1. ビュー数・率
  2. 閲覧秒数
  3. ゴール数・率
  4. クリック数・率

1. ビュー数・率

各コンテンツ毎に閲覧された数(累計2秒以上閲覧でカウント)とその割合が表示されるため、どのコンテンツが何%のユーザーに見られているかを確認できます。

ユーザーに見てほしいコンテンツは、ページ内でしっかり見られているか?予想もしていないコンテンツに注目が集まっていないか?等、仮説を立てながらデータを確認しましょう。

ビュー率の目安は、集客状況やデータ蓄積数によって異なりますが、基本的には60%以上だと「見られている」と言えるでしょう。ページ上部からビュー率を見ていきながら、急激にビュー率が下がるコンテンツがあれば、離脱ポイントの可能性があります。(※リンクがあれば遷移したとも考えられます)

2. 閲覧秒数

各コンテンツ毎に見られた秒数(コンテンツが50%以上表示されるとカウント)を表示し、どのコンテンツが何秒ユーザーに見られているかを確認できます。

レポート画面では、平均数値も表示されているため、閲覧秒数が平均よりも長いか短いかを確認することで、ユーザーがどのようにページを閲覧しているかが考えやすくなります。ユーザーに理解してもらいたい情報やコンテンツが時間をかけて見られているか、仮説を立てながら確認することをおすすめします。閲覧時間があまりにも長い場合は、文言やデザインの修正を図ってユーザビリティを上げる余地があると言えるでしょう。

3. ゴール数・率

ユーザーがコンテンツに接触した後に、ゴール(ゴール設定しているURL等)へ到達した数が表示されているので、どのコンテンツがゴールに貢献しているのかを確認できます。(※ゴールはツール画面にてURLをベースに複数設定が可能です)

ゴール率が高いコンテンツ=ゴールに貢献するコンテンツのため、ページ内で積極的に接触させるべきコンテンツです。反対に、ゴール率が低いコンテンツは、閲覧することでゴールから遠ざかるコンテンツのため、ユーザーへの接触を減らす必要があるかもしれません。ユーザーにとって○○だからゴール率が高い・低いのではないか?と仮説を立てながら考えていくことで、Webサイトに限らず各種マーケティング施策にもデータや仮説を活かすことができるでしょう。

4. クリック数・率

各コンテンツごとにクリックされた数とその割合(クリック数÷ビュー数)が表示され、どのコンテンツがクリックされているかを確認できます。

ユーザーがどのコンテンツを使って遷移しているのか、どのようにアンカーリンク等を使っているかを把握できます。また、リンクがない画像コンテンツをクリックしている場合でも、コンテンツアナリティクスでは計測ができるため、ユーザーにとって意図しない行動を生んでいる等の改善ポイントも発見できます。

基本指標を使った各コンテンツの評価方法

ここまで、各基本指標のデータについてお伝えしましたが、Webサイト改善のためには、ページ全体を通して俯瞰的にデータを確認することも必要になります。その際は「ビュー率」と「ゴール貢献率」を使って4象限に分類してコンテンツを評価することをおすすめしています。

コンテンツ毎に「見られている・見られていない」×「ゴール貢献率が高い・低い」を軸に、下記のように考えることができます。こうすることで改善方針が明確になるため、まずはこのように分類して把握するとよいでしょう。

  • 見られている  × ゴール貢献率が高い↑ = 維持すべきコンテンツ
  • 見られていない × ゴール貢献率が高い↑ = 注目度を高めるべきコンテンツ
  • 見られている  × ゴール貢献率が低い↓ = 内容や見せかたを変えるべきコンテンツ
  • 見られていない × ゴール貢献率が低い↓ = 接触優先度を下げるべきコンテンツ

データから施策への考え方

ここからは、実際にデータを見て、仮説を考える➡施策方針を決める➡Webサイト改善施策へと落とし込むまでを事例を交えて解説します。※ここでご説明する内容は、一般的に考えられる考察・施策となり、サイト種別やコンテンツ構成によっては正しくない場合もありますので予めご了承ください。

対応施策|ゴール率が高いコンテンツ

例)「口コミ」のゴール率が最も高い

仮説として「対象のコンテンツをもっと見てもらえるとゴールしやすくなるのでは?」と考えます。同時に「なぜユーザーがそのコンテンツを見るとゴール率が高いのか?」をユーザー視点に立って考えていくことが大事です。

上図の結果と仮説から、施策方針としては下記になります。

  1. 対象のコンテンツに触れる機会を増やす
  2. 対象のコンテンツを目立たせて気づかせる

次に、施策方針を元に、実際のページ内でどのように表示させるかを考えていきます。ユーザーが該当のコンテンツへ触れる機会を増やすには、口コミをページ上部に移動させたり、アンカーリンクを設置する施策がよいでしょう。

対応施策|ゴール率が低いコンテンツ

例)「キャンペーンバナー」のゴール率が最も低い

仮説として「コンテンツに触れる人を少なくする」もしくは「コンテンツをより良くする」ことでゴールしやすくなるのでは?と考えます。

上図の結果と仮説から、施策方針は下記になります。

  1. コンテンツに触れる人を少なくする
  2. コンテンツの見た目や中身を変更する

先ほど同様、ページ内でどのように表示させるかを考えていきます。今回の例では「キャンペーンバナーのゴール率が最も低い」ので、該当のコンテンツに触れる人を少なくするために、バナーコンテンツの表示をカルーセル化してコンパクトに見せたり、ページ下部に移動させる施策がよいでしょう。

対応施策|滞在時間が長いがゴール率が低いコンテンツ

例)「特徴」は、長時間見られているがゴール率は低い

仮説として「分かりやすいコンテンツに作り変える」ことで、ゴールしてもらいやすくなるのでは?と考えます。

上図の結果と仮説から、施策方針は下記になります。

  1. コンテンツを分かりやすくする
  2. コンテンツに必要な情報を増やす

ページ内でどのように表示させるかですが、今回の例では「長時間見られているのに、ゴール率が低い」ので、該当のコンテンツを分かりやすくするために図式化させたり、伝えたいポイントのみを強調させる施策がよいでしょう。

コンテンツアナリティクスを使ってみませんか?

当記事では、データの解釈から具体的な施策に落とすまでの考え方を解説してきました。コンテンツアナリティクスを活用したWebサイト改善のイメージを持っていただけたなら幸いです。「導入しても活用できるか不安だ」という方に向けても、ここまで解説したような、分析から改善施策に落とせるようになるためのオンボーディングもご用意しています。コンテンツアナリティクスのページよりぜひお気軽にお問い合わせください!

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この記事を書いた人

伊藤 有紀子(いとう ゆきこ)

株式会社UNCOVER TRUTH
ビジネスデベロップメントグループ
Content Analytics チームリーダー

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