顧客解像度を上げる新要素。WEBコンテンツに意味付けをして、顧客の興味関心を定量化する方法とは?|セミナーレポート

この記事では、2023年12月13日にLazuli株式会社と共催したウェビナー「顧客解像度を上げる新要素。WEBコンテンツに意味付けをして、顧客の興味関心を定量化する方法とは?」の内容の一部抜粋とアーカイブ動画のご紹介をしています。

登壇者&サービス紹介

Lazuli株式会社

Lazuli株式会社
執行役員
北庄司 英雄 氏

2001年ヤフー株式会社に入社、エンタープライズを中心に黎明期のインターネット広告を活用したデジタルマーケティングの定着化に従事。その後Jstream、ブライドコープ、NewRelicなどの複数の国内外SaaS企業の日本マーケット立ち上げフェーズに参画、セールスマネジメントとビジネスデベロップメントを強みとする。2020年10月にLazuliのSales Directorとして参画後、2022年2月より同社のVPoSに就任。

株式会社UNCOVER TRUTH

株式会社UNCOVER TRUTH
取締役COO
小畑 陽一

2014年、取締役として株式会社UNCOVER TRUTHの経営に参画。主にマーケティング及びストラテジーを管掌し、クライアントのコンサルティングにも従事。ad:tech Tokyo/Kyushu、宣伝会議、MarkeZine、Web担当者フォーラムなど講演活動多数。著書:「ユーザー起点マーケティング実践ガイド」(日本初のCDP専門書籍執筆)

ディスカッション:「データのリッチ化」がもたらす未来とは?

商品や顧客に関するデータの量や種類は日々増えています。「データのリッチ化」がもたらす未来とは?と題して、データのリッチ化についてディスカッションしています。

小畑(UNCOVER TRUTH):私たちは普段、企業の購買データとデジタルのデータを掛け合わせて分析することが多いのですが、やるべき施策は必然と似てきます。例えば、売上上位10%の顧客には○○の施策をする、顧客ピラミッドの各層のユーザーを次の層へ引き上げるために○○の施策をする等です。これらが必要な施策であることは間違いないのですが、データをリッチ化するビジネスを展開している者同士ということで、今回は少し違う角度でお話しできればと思っています。

本当にユーザーに喜んでもらえるコミュニケーション施策が出来ているのだろうか?と考えることがあります。例えば、馴染みの店舗に久しぶりに買い物に行けば「お久しぶりですね、お元気でしたか?この間ご購入いただいた商品はいかがでしたか?」のような会話があったりしますよね。このような自分だけに向けられたコミュニケーションにより、店舗やスタッフの方への信頼が増して来店頻度が増えたり、次の購買に繋がったりもするのだと思います。データのリッチ化がもたらす本来の施策は、このようなユーザーとのコミュニケーションを実現することにあるのだと考えたりします。

北庄司 氏(Lazuli):小畑さんがお話ししているような、データをどのように施策へ活用していくかのレベルまで進んでいる企業もある中で、もっと手前で課題を抱えている企業も多いように感じています。そもそもデジタルで商品を販売していくために必要なデータを用意できていない下図のBEFOREのような企業がまだまだ多い印象です。

アメリカ等と比べると、日本は小売企業が多いです。私は、地方に伺う機会が多いのですが、地域ごとにその地域に根差した小売企業があります。繰り返しにはなりますが、販売チャネルが多様化し、リアルの店舗だけではなく、デジタルでも商品を販売していくことが求められる中で、そのような企業の多くが必要な情報やデータを用意出来ていない状況があります。このような状況を打破するために、手探りながらテクノロジーやSaaSのサービス等を活用していかなければと動き始めている段階のようにも感じています。

小畑(UNCOVER TRUTH):そうですね。もちろんそのような企業もまだまだ多く、まずはデータの取得や整備をすることが大前提の第一段階ですよね。ここで視聴者から質問が来ているので、そちらにお答えできればと思います。

【視聴者からの質問】 Lazuli PDPについて質問です。総合スーパーを展開しているのですが、マスターデータにどのようにデータが追加されるのか?もう少し具体的に知りたいです。

北庄司 氏(Lazuli):下図にあるようなECに必要な基本情報が追加されます。例えば、マスターデータに商品説明が追加されたり、商品が検索されるキーワード等もAIが生成して既存のマスターデータに追加します。下図のAFTER側にあるようなデジタルで商品を販売するための土台を作り上げるというのが私たちのツールです。

小畑(UNCOVER TRUTH):そのようなデータは、メーカーからもらった情報や、他のところから取得してきた情報ということですか?

北庄司 氏(Lazuli):そうですね。ナショナルブランドの商品で言えば、様々なECやモール等で売られていますし、様々な媒体やSNSでも紹介されていますよね。そのような世の中にある情報を取得してデータ化し、そのデータを用いてリッチ化のお手伝いをしています。

小畑(UNCOVER TRUTH):なるほど。シンプルに言うと、あらゆる媒体をクロールして、情報を集めて、AIで真贋、調整しながら下図にあるような状態を作り上げるということですね。

北庄司氏(Lazuli):データのリッチ化がもたらす未来で言えば、下図のようにLazuli PDPの行動データや特徴タグから顧客の嗜好性がわかるようになります。サイト内の画像のデザインやテキスト等の訴求内容が、このような商品マスターデータからのユーザーの属性や傾向によって自動的に出しわけされるような未来もあると思います。

小畑(UNCOVER TRUTH):Lazuli PDPの場合は、購入済みの商品データや商品ごとにタグ付けされた特徴データから。コンテンツアナリティクスは、サイト内でのユーザーの行動(コンテンツの閲覧)データから、ユーザーの趣向性や興味関心を導き出すという点が似ていますね。

北庄司氏(Lazuli):これらのデータをアウトプットに役立てるのが大事ですよね。そのためには、土台である商品マスターデータを整備しておかないと、連携先のツールで施策に使えるデータがない状況に陥ってしまうこともあるかと思います。

小畑(UNCOVER TRUTH):そうですね。MAや接客ツール等は一般化していますし、施策の実行環境自体は整ってきているように感じます。ですが、実行環境は整っていても、何をトリガーに、どのようなデータを利活用してユーザーとコミュニケーションをするのかについては、もう少し進めていかなければなりませんね。

北庄司氏(Lazuli):せっかく導入している施策実行ツールを費用に見合う分だけ使っていくためにも商品マスターデータの整備は必要ですね。

【視聴者からの質問】データを活用した施策の話として、CRMにおいてOne to Oneは理想だとは思いますが、ユニークユーザーへの販促の最適化はどのようなバランスで考えるべきでしょうか?

小畑(UNCOVER TRUTH):人によってOne to Oneの定義が少し異なるように思いますが、興味関心を元にセグメントを作ることが重要だと考えています。セグメント化して、ある程度のボリュームを作れないと、ビジネスへ影響を与えづらい規模になってしまいがちです。基本的に施策は、WHO(誰に)WHEN(いつ)WHAT(何を)を元に実行していくと考えると、個々のユーザーへ発信するタイミングの違い等はあるにせよ、興味関心でのセグメントを大きな個と捉えて、実施するところから始めていけると、進めやすくなるかと思います。

【視聴者からの質問】タグでセグメントを作っていくと、例えば「痩せたい」「食べたい」等の相反するタグが付いたりしませんか?

北庄司氏(Lazuli):小畑さん、カレーに辛いというタグが付いたらどう思いますか?

小畑(UNCOVER TRUTH):いいと思いますけど。

北庄司氏(Lazuli):私はカレーは好きですが、辛いのは苦手です。この場合、自社で展開するカレーに、辛い、甘いかの味覚のタグが必要かどうか?を考える必要があります。実際、タグというのは、付けようと思えばいくらでも付けられてしまいます。そのため、ユーザーにとってそのタグが重要なのかどうかの意味づけや、重みづけをする必要があります。ここは、AIの力を上手に利用しながら、出た結果に対して人間が考えることが求められる部分だと考えています。

小畑(UNCOVER TRUTH):そうですね。AIによってすべてが完全自動化されるというよりは、AIを利用することで、今の業務の精度が高まり、より高度な施策等が実現できるようになるのだと思います。

北庄司氏(Lazuli):商品マスターデータの整備をやるべき時が来ていると感じています。色々な施策実行ツールがある中で、それらを使いこなすためにも、次の10年のデジタルビジネスの準備をするいいタイミングだと感じています。

動画はこちらから

本セミナーレポートは本編の一部を抜粋した内容です。すべての内容はぜひ動画内でご確認ください。

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